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朝の空
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振り返り、俺の顔をみて、ぎょっとする朝日さん。
「え?え、ええ、え?ど、どどどどどしたの?なんで泣いてるの?え、ええ...」
そりゃ引くわ。ドン引きだわ。
朝日さん見たら余計泣き止めなくて、上手く話せなくなった。
「ぁ、あさひ、さん、ごめ、すぐ、泣き、止む、から」
ぐすぐすと話していると、ふわっと抱きしめられる。......え。
「....え、ええ、え、な、に、してんすか。彼女さん、のまえで、」
自分で言って気付く。そうじゃん彼女さん居るんじゃん。やばい。
「....彼女さん、?」
抱きしめられたまま聞こえる声
「そ、そう、ですよ、彼女さん、えと、ユキちゃんさん」
無言で解放される俺。
両手で頬を掴まれ、顔が固定される。
覗きこまれ、ドアップの朝日さん。
親指で涙が拭われる。
「ねえ、美月くん、俺の、彼女に会うのが嫌で、泣いてるの?」
「わ、かんない。でも、会いたくない」
朝日さんが離れてしまいそうで思わず朝日さんの服の裾をぎゅっと握る。
「ねえ、なんで?なんで会いたくない?俺、自惚れていいの?」
「うぬぼれ?なに?え?」
「ねえ、なんで、会いたくないの?」
変わらない体勢で目を見つめて言われる
あぁ、なんだ、かんたんだ
「朝日さんを、とられたくない、俺が、朝日さんの、隣にいたい」
少し揺れるドアップの綺麗な目
「なんで美月くんは、そうやってかっこいいとこぜんぶ取ってっちゃうかな」
照れたように呟く朝日さん
「朝日なんて名前なのに、朝が苦手な俺と、朝が得意なのに、名前が夜の美月くん。これって、2人で1つだと思わない?おれと、美月くんで、毎日を繋いでいきたい、です。美月くん、俺の、大切な人になってください」
理解できずにぽろぽろと流れる涙
朝日さんはおろおろと狼狽える。
「だ、だめ、ですか」
「だめ、じゃない。だめじゃない」
ぽろぽろ涙をこぼしながら答える。
「よかった....よかったあぁ....」
へにゃっと笑う朝日さん
つられて俺も微笑む
「あの、キス、していいですか」
控えめに聞かれる。別に聞かなくて良いのに。鼻水をすすりながら頷く。
ゆっくりと近づく朝日さんの顔
ゆっくりと目を閉じる
優しく触れる唇
すぐに離れて、抱きしめられる
あぁ、俺、この人のこと、だいすきだ
開いた目に写るのは真っ青な空
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