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その正体は
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離れて、ふふ、と微笑む。
が、大事なことが1つ。
「....ユキちゃん、は?」
「あぁ!ユキちゃん!ユキちゃんね!」
朝日さんはくるっと後ろを向いて
「はい!ユキちゃん!」
それは、子犬。
抱き上げられ、俺の方を向いてぱたぱたと尻尾を振る、子犬。
「....ユキ、ちゃん...?」
わん!
恥ずかしくて死ねそうだ。
「今年の春に拾って、近所のおばあちゃんの家で飼ってもらってるの。毎朝散歩するためにあの電車にのってるんだ。」
「そ、れを、早く、」
「言ってなかったかーそっかそっかー。ごめんねー。でもさ、結果オーライだよね?」
きらきらと眩しい顔で微笑まれる。
「...ま、あ、そうなりますね。はぁ、君がキューピッドだよ、ユキちゃん」
ぱたぱたと振られる尻尾。可愛い。けれど、きらきらの笑顔がむかついたので、微笑む朝日さんにキスをしておいた。
「....そ、うやって!かっこいいこと!する!もう!なんなの!」
真っ赤に照れた朝日さんと笑い合って、もう一度、キスをした。
もうすぐ、出逢った春が来る。
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