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#4
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昇降口に向かう流れを真正面から受け,逆流して行く俺はまるで鮭か.
いや,鮭でもこんな弱くないだろう,俺なんかどんどん流されてる気がする.
あ-…これはやばい予感だ…
「おいこら,!」
ぐいっ,と腕を引かれた.
え,何これ,この乙女チックな展開.
蒼「え,や,」
誰に引っ張られたんだろ,海夢じゃないな.
そんな事考えながら,突然やってきた誰かに,ずるずると横に流されて行く俺.
あ-あ…折角俺が進んできたのに…
やっと人混みの減った廊下で,俺の手を引っ張った相手の顔が見れる.
蒼「…っと,有難う、御座います…」
?「あれ,俺に見覚えない?蒼空,」
取り敢えずお礼を言ったあとに,名前を呼ばれハッとする.
顔を上げると,…
蒼「……すみませんが存じ上げないです」
?「嘘付け!?今逸らしただろ!?俺の事を!!!」
…そこには何を隠そう,海夢のお兄さんが立っていた.あぁ,確かお兄さんもここの在校生だったっけな…
兄「思い切り流されてたからな,助けてやったぞ,」
ふふん,とドヤ顔されるが,正直迷惑だった.
また俺は川を昇らなくてはならないじゃないか!!!(心の叫び
兄「あれだろ,海夢なら俺のクラスで面接待ちしてんぞ,」
俺の出席番号は「い」そまえ,だから3番.
海夢は「た」かみや,だから18番…
少し差はあるけど,他校の生徒が交じるとこんなに長く掛かるのか,成程学んだ.
兄「お前ら仲いいな~,俺ニヤニヤするぜ」
蒼「…………」
兄「すまない,冗談だからそんな冷たい目で見ないで!!!」
…海夢が若干女たらしなのは,お兄さんからの遺伝と性格が移ったのか…これも学んだ.
暫く待ってるか…校内をうろちょろするのも迷惑だろうし,大人しくベンチに座っておこう
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