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んで。
二人は神妙な顔でベットの上で向き合って座っている。
「きょ、今日はどうしました?」
「お…お腹が痛いんですぅ」
「寒くて風邪が流行っていますからねぇ。ちょっと様子を見ますので、上着をめくってください」
「うぅぅ…」
ペロン、と春幸はセーターを首の辺りまで持ち上げてお腹をこう太に見せた。
春幸の顔は真っ赤になって、今にも泣きそうな顔になっている。
こう太も顔を赤くして、どもりながら「ちょっと触ってみますねー」と言ってお腹をナデナデし始めた。
触診としてなんだろうけど、なんていうかその触り方が…。
「こうちゃん…く、くすぐったいよぉ…」
「春ちゃんのお腹スベスベする。すごく気持ちいい、ずっと触ってられる…」
「やだよぉ…!恥ずかしいよぉ…」
こう太の手の動きが怪しくなってくる。
そのうち、お腹を触っていた手がドンドン上になっていって、春幸の胸辺りを触りだした。
春幸はビクンとはねると「あわわわわ」と焦りだした。
「春ちゃんのおっぱいピンクで可愛い…!」
「お、おっぱいばっか触らないでよぉ…!」
「?虫刺され、じゃないよね?この赤くなってるとこどうしたの?」
「はわわわわわわわわ…!」
春幸の体を触りまくるこう太と、顔を赤くして「やめてよぉ」って言いながらもまんざらでもなさそうな春幸。
僕がいることなんて忘れて、二人でイチャイチャし始めた。
終いには。
「ぼくばっかりずるい!!今度はぼくがお医者さん!!」
「ええええ!?」
こう太のことを春幸がベットの上に勢いよく押し倒した。
そして二人はキャッキャしながらお互いの体を触りあいっこしている。
その様子を見ながら、僕の意識は天涯の果てまで飛んでいってしまった。
どうやってこう太の家から帰ったかは覚えていない。
自分の部屋に戻ってからスマホで「お医者さんごっこ」について調べてみたら、小さい子供がおもちゃの聴診器でお腹を触っている画像とか出てきたんだけど、「お注射するね」と言ってコトに運ぼうとするエロい小説なんかもたくさん出てきた。
悪徳医者ごっこなんて、一個も出てこなかった。
お父さんが教えてくれた「お医者さんごっこ」だとドヤ顔でやりはじめた自分を殴りたい。
父親が医者じゃないこう太と春幸の言っていることだからと、信じていなかった自分を殴りたい。
というか、お父さんが教えてくれたのも嘘じゃないか。
正しい「お医者さんごっこ」じゃないじゃないか。
もしもお父さんが本当のお医者さんごっこを教えてくれていたら、僕だってドヤ顔でやろうなんて言い出さなかったのに。
っていうか正しい「お医者さんごっこ」を教えてくれていたら、「お医者さんごっこ」のフリをしてこう太をあれこれできたじゃないか。
「お腹だしてください」って言って胸を触ったり、「足の筋肉をマッサージしましょうか」とか言って太もも撫で回したり、「お薬ぬりましょうね」とか言って体にロー(ry
あぁぁぁ!お父さんのせいだ!!お父さんのせいだ!!!
僕はこう太にエッチなことしたかったのに!!!
「僕はお父さんのせいで、いらん恥をかいたよ!お父さんがちゃんとしたお医者さんごっこ教えてくれなかったせいで!」
悔しくて悔しくてベッドを拳で叩くも、気分が晴れない。
しばらくブツブツ呟いていたんだけど、ふと、お父さんが静かなことに気づいた。
あれ?と顔をあげてお父さんの方を見ると。
「おwwまwwえwwwまだwww気づいてwwwいなかったのかよwwwwww」
お父さんは肩を震わせながら、今まで見たことないくらいに爆笑していた。
手をパンパン叩きながら、語尾に全部草を生やす勢いで笑うお父さんを見ていたら。
ブチン、と理性の切れる音が聞こえた。
「このクソ親父ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!大っ嫌いだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「ははははははははははははwwwひゃーwwww」
「グレてやるー!!診療所だって継いでやるもんかぁぁ!!!グレて自称プロ雀士とかになってやるー!!!」
「あ、それは困る。パッパラパーなのは長男坊だけで十分だ。世間体が悪い」
「父ちゃん!!!オレがパッパラパーってどういうことだよ!!!!」
兄さんがドアを開けて中に入ってきて、部屋がしっちゃかめっちゃかになる。
その間に母さんと妹はさっさと夕飯を済ませていた。
僕と父さんと兄さんが夕飯を食べようと席に座った頃には、僕とお父さんの好きな番組は終わってしまっていた。
「まぁ、機嫌直せよ。また明日の休みにでも悪徳医者ごっこしてやるからよ」
「もう二度とするもんか」
お父さんは大笑いしながら頭をグリグリ撫でてくる。
気分は相変わらず最悪だけど、明日遊んでくれるっていう約束はちょっとだけ嬉しかった。
(fin)
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