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シャク
シャク シャク
こくん
風呂上りのアイスはやっぱうまい。
季節はもう夏と言っていいだろうか。
火照った身体を冷やすように、冷たいアイスが染み渡る。うん、普通にうまい。
学校が終り部活もない俺は、友人と話す事もなく家へと足を走らせた。別に家の用事があった訳でも、友人と喧嘩をしたわけでもなく、ただ今日はすぐ家に帰りたかった。
寝転ぶようにベットへと飛び乗る。器用にもアイスは口にいれたまま。なんとは無しに、ベット横にある携帯をいじってみる。
嘘。
本当は気になって携帯をいじっている。何故なら、彼、山田くんからのメールがくるかもしれないからだ。
思い出すのは彼の顔
まっすぐこちらを見つめるあの顔
山田くんの印象はガラリと変わった。
いや、印象というほどの接点もなかったけど、少なくとも噂の山田くんとの印象とは
程遠く、どこか親しみが湧くような。自分が想像してた彼よりも、もっと幼いような。
「だって山田くん、泣いてたし……」
俺は何も映さない携帯を握りしめた。
あれから何時間たったのだろうか?
どうやら俺は携帯を握りしめたまま寝ていたらしく。外はもう暗闇で、時計の針は2時をさしていた。
「くぁあ??
っと、やっば課題終わってない」
慌ててベットから飛び降りる。
机へ向かおうとした時、携帯画面が点滅している事に気がついた。
「おわ」
鼓動が一つ、大きくうった。
画面には「メール一件」の表示。
ごくん。と音をたてて唾を飲み込む。
今までこんなに緊張して、メールを確認した事があっただろうか。
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