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件名 山田
080-52ーーー
登録よろしく
たまに連絡していいか?
山田くんらしいシンプルな内容。
だが、最後の一文に何故か大きな想いがこめられているような。
「(あ?俺、自意識過剰…)」
送られて来た時間は8時過ぎ。
それから6時間も経過している。
「山田くん、怒ったかな?」
昼間の彼を見る限り、そんな感じではないにしろ、返事を待つと言った手前、申し訳ない事をしたような気がする。
件名 登録完了で?す
遅れてごめんな?
ちゃんと登録したから
連絡ぐらいいつでもいいよ(^o^)
「っと、送信」
ピロリンと送信された音がした。
多分返事は今日の朝くるだろう。俺は携帯を閉じ、今日提出課題に手を伸ばした。
ブブブブ
ブブブブ
「うおっ」
携帯のバイブが揺れた。
イタズラメールか?こんな夜中に誰だよ。と今さっきメール送信した自分を棚にあげつつ受信BOXを開く。
と、そこには 山田 の文字が。
「えっ返事早くね?!」
件名 ーーー
ありがとう
たまに連絡する
明日も屋上で話したい
嫌なら来なくていい
またもやシンプル。
絵文字なんてものは一切なくて。でも
ありがとうって言えるんだ
簡単な一言だけど、山田くんの見方はだいぶ変わっていく。
「偏見、なかったのにな」
俺は「分かった」と、多少だが山田くんよりは可愛げのある文を送信した。
思い浮かぶ、山田くんの顔。
山田くんはどういう気持ちで俺に告白なんかしたのだろう。あの山田くんが泣いちゃうぐらいだから、相当の覚悟できたのだろうか。それに何故俺だったのか。
グルグル悩んでも、答えは山田くんしか知らないわけで。
俺は山田くんの事、知らないのに
今日の昼には山田くんに会える。そう考えたら少し気持ちが浮くような、なんともいえない、ふわふわするような。
「っうし、課題終わらせっぞ」
俺は昼のため、山田くんのため、課題をとっとと終らせるべく机にむかった。
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