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No.7/モブ男
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加賀の家から駅まで10分くらい歩いて、そこから一駅分電車に乗って、降りて5分くらい歩くとオレの家。
オレの家がどこにあるかなんて、あんなに興味がなさそうだったのに。なんでか…ずっと付いて来る。
ぼんやりと、隣の顔を見る…オレにはよく分からんけど、確かにカッコいいのかもな。ジャニーズ系?女の子にはウケそうな顔。
帰り道を送ってくれるとか、カップルみてえだな。あ、これもモテの極意か!
なるほどなー。こうやって日常の何気ないところで、モテる奴はイロイロ努力してんのか…。
うんうんと感心していたら、今まで黙り込んでた加賀が言った。
「なあ、明日はお前ん家に行っていいか?」
「おー。大丈夫。」
一瞬、加賀が嬉しそうな顔をしたように見えた。…気のせいだろな。加賀とオレの関係は、師匠と弟子みたいなもんだ。友達ですらない。
あ、そういやなんでキスしたんだろな…。あの時答えてくれなかった。
考えごとしながら歩いてたら、家に着いた。
「あ、オレの家ここ。また明日なー。」
「ああ、じゃあな。」
オレの家をちらりと見て、すぐに駅の方に向かって歩き始める。
本当に送るためだけに電車賃払ってここまで来るとか、加賀って意外とマメだなあ。
あ、女の子にはこんな感じで優しいんだろな。さすがモテ男。
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