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No.18/モテ男
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「ちょっと!何、何、なにー、京平の友達?高校に入ってから、初めて見たんだけど!」
「あ、おじゃましてます。」
腹減って、2人して台所に居たら、仕事から帰って来た母親に真琴が捕まった。この浮かれよう…。
「あんた、マトモな人付き合い出来たのねー。女としか付き合えないと思ってたわ。」
笑顔で、冷凍食品を取り出しチーン!と温め、テーブルに置いた。母親は料理が苦手だ、でも野菜炒め位は出来る。米も炊ける。俺と同じレベルだな。まあ、いいんだけど。
「ほら、お腹すいてんでしょ。食べよう。」
母親に促されて、真琴がいただきますと手を合わせた。俺はもう既に食ってる。
「えっと、なに君?」
「桜井真琴です。」
「まこと君。感動だわ!もう、ずっと仲良くしてやってね。でも、彼女は紹介しちゃダメよ。」
「何でですか。」
この母親の言いそうな事は分かる。ギロリと睨んだ、黙れよ、余計な事言うなよ!
そんな、俺の事なんかまるで無視。
「彼女取られて、友情なんて失くなるわよ。京平は、別に取ろうと思って無いかもだけどねー。彼女の心変わりは止められないでしょ。それで、本当に友達居なくなったしね。」
「え?」
「うるせえよ。」
もう止めろ。マジで。その軽い口を縫い付けてやりてえ。人の傷口えぐって、その上、好きな奴に余計な事教えんなって!
「私の美貌と、顔だけで選んだダメ男の血がねー。中々の良い仕事した訳よ。」
「ダメ男…。」
真琴が俺を見た。ちょっと困った顔してる。
「…一応父親もまだちゃんと同じ家に居るからな。まだ帰って来てねえけどさ。」
「そっか。良かったな。」
あ、真琴のうちはバツイチ同士の子持ち再婚だった。なんか、いろいろ複雑そうだな。しかも、あの双子の兄貴とかさキッツイな。
昨日は、部屋に夕食を運んでくれた真琴の母親とは挨拶した。ちょっと真琴と雰囲気の似た、普通の人だった。
「まあ、居るけどね。万年平社員の、顔だけオトコよ。」
「もう言うなって、自分で選んだんだろが。」
「そう、そうなのよ。顔がね、今だに好きだからコレばっかりはしょうがない。」
「結局、惚気話だっつーの。」
「あははっ!仲いいなぁ。お母さん、面白いしさ。」
笑ってるけど、なんだかなぁ。
「真琴。もう、構わなくていいからな。」
「やだ、まこと君とは仲良くなりたいのに。」
また真琴が笑う。楽しそうにしてるけど、なんか、無理してないか?
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