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No.31/モテ男
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放課後、真琴と並んで歩く。
今朝は遊園地の時みたいにまた避けられるかもと懸念しながら挨拶してみた。けど普通に話せたし、今も何か楽しそうな感じだからもう機嫌は治ったんだろう。
結局なんで避けられていたのか分かんなかった。
「京平コンビニ寄っていいか?腹減ったから何か買っていきたい。」
「ああいいけど。」
俺の家から近いコンビニへ入る。菓子コーナーで真琴はポッキーに手を伸ばそうとしてる。
あ、駄目だ。またこの前みてえにムラっとしそう…。
「これはやめとけ。」
「え、なんで?ポッキー美味いだろ。」
「…美味いけど。この前、同じの食ってただろ。違うやつにしたらどうだ、これとか春限定味だし。今しか食えねえぞ。」
「春限定味…今しか食えない…うん。じゃあ、これにしとく。」
あっさり俺の勧めるやつに変えてくれた。良かった胸を撫で下ろす。今日はヤる為に家へ呼んだ訳じゃない話をする為だからな。
俺も激辛スナックを手に真琴とドリンクコーナーで炭酸を取りレジへ行く。俺の前に並んだ真琴の手には俺が勧めたスナック菓子と炭酸と棒付きの丸い飴。
ん?飴?
「真琴、これもやめろ。」
こんなん口に咥えて出し入れされたら完璧まずい。ムラっとするに決まってんだろ!
「え?なんで?これ美味いよ。」
「だあー!ちょっとこっち来い。」
いったんレジから離れる。菓子コーナーへ戻って真琴から飴を取り上げ元に戻した。
「なんか違うの選べ。奢るから。」
「でも、プリン味…。」
「じゃあ本物のプリンにするか?それでもいいぞ。」
「…本当?」
「ああ。」
俺が頷くと真琴が目を輝かせてデザートコーナーへ移動する。後に付いて行きながらまた胸を撫で下ろした。
「京平、この生クリームの乗ったのはさすがにダメだろ?」
「いいけど。」
「あ!でもこれ高い…。やっぱりこっちの普通のがいい。」
遠慮して普通のプリンを取ろうとするのを制して、俺は生クリームの乗ったプリンを取った。
「ほらレジ行くぞ。」
「…うん。ありがとう。」
嬉しそうに笑う。ああ、くそ。かわいいな。
双子に奪われても好きな女がいようとも…。
俺は、まだまだ諦められそうもない。
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