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No.40/モテ男
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「加賀、お早う。」
いつもと同じように隣に並ぶ能戸。
「お早うございます。」
そしてイレギュラーな鳥海…。こいつの家も案外近いのか昨日も途中まで帰りが一緒だった。
「……その髪型、」
「似合ってますか?昨日、加賀さんの写メ見せて真似て来ました。眼鏡もコンタクトにしたんですよ。少しは近付いたと思うんです。」
もう帰りたくなってきた。
「止めてくれ。それ全部、能戸は気に入らないだろ。」
「そんな事無いけど。鳥海結構似合ってるよ。」
「そうですよね!自分でもそう思います。」
体型は近いし髪型ほぼ同じだし、グッタリするわ。能戸も何考えてんだか…。
「昨日のまことっちとの件だけどさ、」
俺たちの後ろを歩く鳥海に聞こえないように配慮してか小さめの声で言ってくる。
「何だよ、」
結局昨日はケガさせた経緯から、真琴の気持ちを確かめて好きだと言ってもらえた事まで全部白状させられた。その時に能戸に言われた言葉。
「加賀の事を好きだとしても、まことっちはきっとあの双子の事を拒めないよ。」
やっぱり俺の不安は的中してるのかって昨日は色々考えた…結局また寝不足だ。
「まことっちとちゃんと話したら?」
「分かってる。」
今日にでも話し合おうと思ってる。
「結果は報告しろよ。」
「…何で、」
「お前一人で解決出来んの?あの双子、手強いと思うけど。」
「お前…案外良い奴なんだな。」
「今頃かよ。自分勝手なお前と違って俺は友達思いなんだよ。言っとくけどまことっちの事だからな。」
「…分かってるって俺とお前は友達じゃねえんだろ。」
「……そうしたのはお前だろ。」
ごもっとも。俺が最初に能戸を拒絶したからだ。でも今は後悔してる。この気持ちを能戸に言える日が来るだろうか。
俺は、つくづくバカだ。
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