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No.51/モテ男
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「あのさ何で泣いてたわけ?」
やっと落ち着いた真琴に聞いてみる。俺の部屋で体操座りして出してやったサイダー飲んでる。手の甲で擦ってたから目が真っ赤だし。
「……京平の写真が、」
言いにくそうに口を閉じる。
「俺の写真?何だそれ?」
急に写真とか言われても、何にも引っかからない。ん?…いや、鳥海だ。奴が真琴に写真をやったとか言ってた。
「もしかして鳥海の撮ったやつか。」
「…うん。」
「それがどうしたわけ、」
真琴の瞳が揺らぐ。あ、まずい。
「無理に言わなくていいから。ほら、これ食うか?」
スナック菓子を渡して気持ちを反らせる。また泣かれたら困る。俺は真琴を泣かせてまで理由を知りたいとは思ってない。
「…ありがと、ごめんな。」
「いや別にいいけど。今日、泊まってくか?」
「……うん。」
言っておいて何だが、まさか頷くとは思わなかった。
明日の早朝から親いないんだって言ったら引くか?やっぱ止めるとか言うかもな。
「明日の朝から親いねえんだけど…。」
「うん。どっか行くのか?」
「…温泉。」
「へえ!いいな。オレはゴールデンウィークの予定とかなんもない。温泉かあ…行きてえな。」
おい、泊まる気か。しかも人ん家の親の予定に目がキラキラしてる。
「あのな、…泊まるの大丈夫なのか。」
「あっ。そうだった…オレの親も明日から旅行だから居ないんだった。ちゃんと家事しないと…やっぱ帰る。」
「はあ?なんだよそれ。そんなの双子だって出来るだろ。」
なんかイラっとする。さっきまで泊めるの躊躇ってたけど、今はむしろ帰すのが嫌になってきたわ。
「ここに居てくれよ。俺も予定なんてないし1人なんだ。」
「でも2人とも家事出来ないし弟だから面倒見ないと、」
弟ねえ…あいつらはそんな可愛げのある存在じゃねえよ。
「なあ真琴…俺はお前が好きだから付き合いたいし側にいて欲しい。こんなに必死に誰かを好きになんのは初めてだし、大切にしたいと思ってるのも初めてだ。まだ…俺の事か好きなら早く俺を選べ。付き合うって言ってくれ。」
そうしないと守ってやれない。あの双子を切り離すには俺を選んでくれねえと。
「京平の事は好きだけど、でも…楓と紅葉が…、」
「何でそんなに双子に囚われるんだ。さっき泣く程嫌な事されたんだろ。そんなになってまで、何をためらってんだ。」
何でそんなに自分の気持ちを犠牲にすんのか…弟ってだけで全部許してる。
「オレは兄弟でいたい。」
「兄弟でいたい?ならもっと、言いたい事言っていいんじゃねえの。真琴だけが我慢するとかそんなの変だろ、もっと怒っていいんだ。本当の兄弟になりたいなら、兄弟喧嘩くらいしろよ。」
「兄弟ゲンカ?」
真琴の目が大きく開いた。
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