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No.52/モブ男
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兄弟ゲンカ…憧れの響きだ。それって、スゴイな!家族って気がする!
「兄弟ゲンカっていいな!どうやったらいいんだろ。」
「言いたい事言い合ったらいいんじゃねえの。ついでに最低でも二、三発づつぐらいは殴っとけ。」
「おー!殴るのは難しいけど、言いたい事は言ってみる。」
「なら先ずはゴールデンウィーク中は俺の家に居ろ。これは兄弟喧嘩の第一歩だ、兄の有り難みを実感させるべきだな。」
なんか京平がめちゃくちゃ楽しそうだ。オレの兄弟ゲンカにそんなに興味があんのかな…あ、そうか京平って一人っ子だから、オレみたいに憧れがあんのかも。
「でも京平、ずっと泊まって大丈夫なのか?」
「ああ、それは全然大丈夫。むしろ母親は真琴が泊まるならかなり喜ぶな。気になるなら先に連絡しとく。」
京平が早速スマホを取り出し恵子さんにメールを送る。
恵子さんと会うのは久し振りだなあ。でも京平のお父さんって見た事ない。どんな人なんだろ。
「本当にまこと君だ。最近見てなかったから心配してたのよ、ついに女のトラブル発生かと思ってた!」
恵子さんが明るく笑う、その背後でチン!ってレンジが鳴る。
「あの、彼女はいないので。」
今日はナスのミートソーススパゲッティと唐揚げらしい。恵子さんが手早くテーブルの上へ4人分並べる。
「そうなの?京平にも言ったけど、ゴールデンウィーク中は泊まって大丈夫よ。ただ、ご両親には許可貰ってね。」
「あ、はい。ご迷惑かけてすみませんって伝える様に言われました。」
母さんには許可もらった。いつもは楓と紅葉にも連絡するけど今日はしてない。2人からずっと電話とかメールがきてる。でも京平は無視しろって言う。これも兄弟ゲンカには必要な事だって。
「なら大丈夫ね。泊まり込みの受験勉強会なんでしょ?京平が勉強とかするとはね。本当まこと君のおかげよ。」
「…まあ確かに真琴のおかげだな。」
「なんもしてないけど。」
オレが否定をしていると玄関が開く音がした。近付いてくる足音と声。
「ただいまー。」
「へいちゃん、おかえり!」
恵子さんが笑顔で迎えてる。へいちゃん…お父さんかな?
「あれ、京平の友達?」
作業着を着た男の人が、リビングに入ってきてオレたちを見る。ポカンってなる。なんだか…想像と違った。
「…あ、はいっ。お邪魔してます…。」
なんか、恵子さんの話だと…あれ?オレの勘違い?
「親父、こいつ真琴。今日からゴールデンウィーク中泊めるから。一緒に受験勉強する。」
「ああ!まこと君!けいちゃんから聞いて、会ってみたかったんだよ。」
「はい。あの…突然なのに、泊めてもらってすみません。」
「俺たちは明日から出掛けるけど受験勉強頑張って。」
すごいニコニコでこっちを見る。オレより低い位置にある頭…人の良さそうなまん丸の顔。体もちょっとまん丸。イケメン?とはちょっと違う…。
そっと京平と恵子さんを見る。…京平は恵子さん似なんだな。2人とも顔が整っててスタイルがいい。恵子さんは間違いなく美人だ。京平との血のつながりをすごく感じる…。
「へいちゃん、今日はナスのスパゲッティだよー。さっき温めたの、ナイスタイミング。」
恵子さんの笑顔がまぶしい。言葉にハートマークを感じる…スゴイ。
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