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No.52/モテ男
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俺の部屋に客用の布団を敷いて、その上に風呂上がりの真琴が乗ってる。さすがに今日は別々に入った…一緒に入ったらやばい。いや、今もやばい。
うちの親のテンションの高さに疲れたのか、真琴は俺の顔をぼんやり見てる。たまに首をかしげる。何だ?
「大丈夫か、風呂でのぼせたか?」
「ううん。…平助さんは血のつながったお父さんだよな。」
平助と言うのは父親の名前。その所為で俺の名前にも平が付いてる。しかも調子に乗って親父まで名前で呼んでもらってる。
「実の父親だけど何で?結構似てるだろ。」
「えっ!」
真琴が驚いてる。母親とか母親の親戚にはそう言われてるけどな。
「それがどうかしたのか。」
「あ、ううんっ。そっか…えっと、お父さん似なのか…。」
やっと納得したのか頷いた。そんなに疑問に思う程の事でもねえだろ。まあそれはいいとして…俺の下半身問題は今、ギリッギリのグラッグラだ。
「あのさ俺の事好きなんだよな?そろそろ俺と付き合うって言ってくれ。」
「それなんだけどさ、返事は明日でもいいか?」
「…何で、」
俺は今、うんって言って欲しい。…いや、もしかしたら断られる可能性だってある。相手は真琴だ、どんな思考回路で返事を決めるか分からない。好きでも付き合わないというのもかなりの確率で有り得る。
「明日、楓と紅葉がここに来るってメールと留守電に入ってたから。ちゃんと自分の言いたい事とか言って兄弟ゲンカしてみたい。」
「喧嘩と付き合う返事は別物だろ。」
「そうだけど。今はケンカの事で頭がいっぱいだし、オレは楓に悪い事したし…それはちゃんと謝らねえと。」
「悪い事って何だよ。」
真琴が躊躇う様に俺を見る。じっと見つめ返すとようやく口を開いた。
「…スマホの…京平の写真を楓が消して。オレはよく知らなかったけど、…えっと…肖像権の侵害だから…京平に言わずに勝手に写真持ってたら…ダメだって。」
また思い出したのか瞳が潤む。
「あ、それで泣いてたのか。」
「うん。でも…オレが悪いのに…楓の事を許せなかったから…。」
「はあ?勝手にスマホいじられた時点でムカつくわ。しかも写真消すとか最低だろ。怒って当然。明日必ず殴っとけ。」
「え、でも肖像権…、」
「俺は鳥海から聞いて真琴が写真持ってるの知ってたし別に全然いいけど。…楓の奴、肖像権侵害とか小賢しい事言いやがって。」
俺も真琴とのツーショットのやつは鳥海から貰った。ベッドに置いてたスマホを取ってその写真を真琴に送ってやる。
直ぐに真琴の布団の上にあるスマホが鳴る。
「あれ京平から?」
言いながら画面を開いて確認した途端に…パアッと笑顔になる。青空の様な澄んだ笑顔…あー、くそ。かわいいんだよ!
「ありがとな!」
「御礼はキスでいいけど、」
なんてな、ちょっと言ってみたりして。真琴からならセーフだし。
「分かった。」
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