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No.54/モテ男
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「本当に寝てる…。」
煽るだけ煽って俺をゆさゆさ揺さぶってあっさりと真琴は寝た。あのキスは何だったんだよ、それにさっき抱き付いてきたのは何だ…。
「はぁ…。さすが真琴、訳分かんねえ。」
少しだけ目尻に涙。自分の肩を抱き締めて寝てる…。
「ほんと泣き虫だな。ほら、それじゃ寝苦しいだろ。」
涙を拭って真琴の手をそっと掴んで両方の肩から離す、そのまま両手を握り込んでも何の反応もない。
「おやすみ、」
髪を撫でればサラサラと流れる。綺麗な直毛。俺の気持ちは不思議と落ち着いてきた、こうやって振り回されるのも初めての経験だ。でもちっとも嫌じゃない。
真琴は俺に初めての経験を色々させてくれる。能戸の事だってそうだ…恋も友情も勉強も、全ては真琴のおかげなんだ。
「京平、京平…、」
体が揺れる、腕を掴んで揺さぶってる。
「…真琴?」
「おはよ、やっと起きた。さっき平助さんと恵子さん出掛けたよ。見送りしたら京平をよろしくって頼まれた。」
真琴は貸した服を着た寝起きの格好でベッドの側に立ってる。ぼんやり話を聞きながら、何時だろうと手を伸ばしてスマホを掴んで確認する。
「……まだ7時、」
ありえん。スマホを掴んだままパタリと腕をベッドに倒す。瞼はまた自然と閉じる。休みだろ今日…。
「京平、京平、」
また体が揺れる。面倒くさくて揺さぶってる腕を引き寄せ、背中を抱き締めてベッドに引き込む。
「京平っ、まだ寝るのか。」
「うん、」
「でも、朝食作ったから…、」
朝食って誰が?母親…はねえな。親父か?まさかな…。
「冷める前に一緒に食べよう。」
「…お前が、作ったのか。」
「うん。平助さんと恵子さんには先に食べてもらって京平待ってたんだ。あ、要らなかったか?」
「要る。今起きる。」
真琴の作った朝食…食べるに決まってるだろ。
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