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No.55/モテ男
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ピンポーン、
玄関のチャイムが鳴る。
「朝から誰だよ、」
真琴は朝食で使った食器を洗ってくれてる、俺は台を拭いてた手を止めてインターホンも見ずに玄関へ向かった。
「はい、」
開けたばかりのドアをすぐ閉めたくなる。さっきまでの真琴と2人のほのぼの朝食タイムが遠ざかる。はぁ…くそ面倒い。あ、俺が兄弟喧嘩ケシかけたんだった。
「加賀さんお早うございます。昨夜は手を出してないでしょうね?」
白地に青いボーダーのTシャツの奴が言う。
「そうなれば休戦は終わり。ねえ真琴は何処、迎えに来たんだけど。」
紺色のポロシャツの奴が言う。
「真琴は帰らねえよ、休みの間はずっとうちに居る。親から聞いてねえの?」
「そんなのあんたがそう言わせただけじゃないの。真琴は帰りたがってるんじゃない?僕達を放っておくなんてあり得ないし。」
「はあ?何でそう思うんだよ。お前楓だろ。」
「そうだけど、」
紺色のポロシャツが頷く。やっぱりか、
「そもそもお前のせいだろが。俺の写真持ってるのも許せねえとかちっちぇえな。そん位そっとしといてやれよ。勝手に消して泣かせるな。」
「っ!あんたに言われたくない。」
「加賀さん一先ず中に入れてくれませんか。ここで言い合いをするのはどうかと思います。兄ちゃんとも話したいし。」
紅葉が冷静に言う。まあ確かに近所迷惑になりかねない。渋々玄関のドアを大きく開いて迎え入れた。
「兄ちゃん!無事だった?」
「大丈夫?何もされてない?」
おいおいおい、俺の事を何だと思ってんだよ。…いや、まあ確かに手は早いけど。
「えっ、う、うん。」
いつの間にか俺の代わりに台を拭き終え、食器の片付けまで済ませていた真琴が頷く。突然の双子出現に驚いてる。こいつも忘れてたんだな…。
2人が真琴の腕を左右それぞれに掴んで、ジロジロと確認する様に首や鎖骨の辺りを見てる。
「だから、ヤってねえって。」
「そうみたいですね。」
「へえ、一応我慢出来るんだ。」
おい、楓。お前は一言多い。
「あの!あのな…2人に、オレは言いたい事があるんだ。」
「何、兄ちゃん。」
「どうしたの、急に。」
真琴の顔が緊張してか強張ってる。大丈夫か?
「オレは2人とはやっぱり兄弟でいたい。だから付き合えない。そんな気持ちにはなれない。」
「如何して?血の繋がりなんて無いんだよ。僕はずっと兄ちゃんを大切にしてきたよ。何が駄目なの!」
楓の指が腕に食い込む。痛いのか真琴の顔が歪んだ。
「楓、力入れすぎ。兄ちゃん大丈夫?」
紅葉が止めてる、こいつはずっと冷静だ。頷いた真琴が俺を見た。
「京平と付き合いたい。」
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