アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
No.57/モブ男
-
「兄ちゃん。大学はさ行きたい所に行って良いんだよ。父さんと母さんもそう言ってたでしょ。」
「そうだよ。学費の事は気にしなくて良いんだよ。私立でも大丈夫だよ、うちはその位の余裕あるから。」
昼飯を食い終わって、今は京平の部屋で勉強してる。2人は夜飯食ったら帰って、また明日の昼前に来て勉強教えてくれるって。2人ともホントに優しい。
「…うん。でも受からなかったら私立にするから。」
本当は国立に受からなかったら大学は行かないつもりだ。みんなは気にするなって言うけど、母さんが再婚してなかったら大学の進学とか夢みたいな話だから。
「もう私立にしようぜ、K大学は無理。」
京平が向かい側でばててる。
「あんたは無理でも兄ちゃんは可能性あるから。」
「大体僕達が3年間も勉強見てるんだよ。まさか…本当に馬鹿だと思ってたの?兄ちゃん、Y高校の特待生なんだけど。」
ガバッと、いきなりテーブルに伏せてた体を起こして身を乗り出してきた。びっくりした。
「えっ、真琴本当なのか、」
「う、うん。」
なんか京平もびっくりしてる。特待生って言うとみんな驚く。冗談だって思われるからあんまし人に言ったりしてない。オレがバカなのは知れ渡ってんのにさ…あ、だから驚くのか。そっか。
特待生って言っても、勉強は楓と紅葉のおかげでなんとかなってるだけだ。龍壱に言わせれば、オレは成績いいのが笑える単なるバカだって。オレもそう思う。
「そもそもY高校に行くのだってみんな反対したのに。M学園高等部の試験受ける予定が、学費免除につられて高校決めちゃうし。」
「一緒に学校へ行くの楽しみにしてたんだよ。あーあ、あの時無理にでもM学園にさせとけば加賀さんとも会わずに済んだのに。」
「ごめんな。中学の担任の先生がY高校の特待生勧めてくれたから行きたくなって。」
私立の学校は授業料が高い、2人みたいにM学園の特待生になれる程の学力はねえもん。
高校はなるべく近くてタダで行ける所にしようって中学の時はずっと必死で勉強してた。まさか中学3年の途中で親が再婚するとか思わねえし。
「お金の事はさ気にしなくて良いんじゃない。だって母さんも働いてるでしょ、父さんだけが稼いだお金じゃ無いんだよ。」
「そうだよ。大学は自由に選んでさ、もっと甘えたら?きっと父さん喜ぶよ。」
そうかな?父さんに嫌われたらとか考えると怖い。
「でも…見てると健気でさ、そんな所も大好きなんだけど。」
「うん…もう、すっごくかわいいよね、」
兄ちゃんって2人に抱きしめられ、勢いが強くてよろめく。頭を撫でられて、ほっぺにキスされた。そのままぎゅうぎゅうにされて床に倒される。
「何してんだ双子っ!お前らはその健気さに付け込みすぎだっての、退け!」
京平が後ろから2人を押し退けてる。なんか怒ってんのかな。
「邪魔しないで貰えます?」
「今、兄ちゃんを説得してるんだけど。」
「今のは違うだろがっ!襲うな!」
京平がオレを抱きしめて叫ぶ。
「猜疑心が強いなあ。頭も悪いし、兄ちゃんと釣り合ってない。」
「本当、これじゃあ別れるのも時間の問題だね。」
「うるせえよ。」
「えっ、オレはバカだし京平とも別れねえよ。」
「真琴、お前…かわいいな。」
今度は京平からほっぺにキスされた。へへ、嬉しい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
113 / 235