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No.71/モブ男
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「くしゅんっ、」
なんか昨日からやたらとくしゃみが出るな。ふらふらしながらベッドを降りる。京平と付き合う様になってからは楓と紅葉とは一緒に寝なくなった。
「あれ鼻水も出る。」
ティッシュで鼻をかんで、のろのろ洋服に着替えようとしてたらゾクゾクと寒気がして鳥肌が立った。
「なんか…カゼっぽい。あー、昨日のアレのせいか、」
昨日、京平の家に行く途中で雨に降られた。張り付いたTシャツとかが気持ち悪くて京平から着替えを借りようとしたけど…なんか濡れてるのがエロいとか訳分かんねえ事言ってきて、そのままセックスになって…。
「…塾、行かねえと。」
ダルいな…キツイ。体を動かすとぎしぎしする。ゆっくり階段降りてリビングに行く。
「兄ちゃんお早う。僕達より遅いとか珍しいね。」
「兄ちゃんお早う。何かさキツそうだよ…大丈夫?」
「うん…はっくしゅんっ、」
またもやくしゃみと鼻水。もう面倒い。
「わ、風邪?」
「ほら、鼻かんで、」
紅葉がサッとティッシュボックスを持って横に立った、楓は鼻をかんでるオレのおでこを触る。
「これさ、多分熱有るよ、」
「ここ座って、体温計挟んで。」
テキパキと動く2人をぼんやり見る。気が付いたらまたベッドの上に寝かされてる。いつの間にかジーンズもスウェットになってた。
「ほら目を閉じて。」
「今日はずっと側に居るから、」
目の上にあったかい手の平が乗る。右手をきゅと包む手の平。
「楓、紅葉…ダメだ、うつる。」
「いいよ、うつして早く治して。」
「夏休みだし大丈夫。それよりも寝て。」
優しい声。なんか眠くなる。意識がぼやける、ふわふわしてる。
「昨日雨降ったから濡れたって言ってたな。」
「ああおそらく加賀さんが濡れてる真琴にサカったんだろ。」
2人が舌打ちした。夢…かな?なんか京平の事を悪く言ってる…。訂正しねえと、
「…ち、がう…オレもしたかった…から。」
京平の指が服を脱がせる時に濡れた布越しに肌に触れる感じとか…すごく身体が熱くなった。全部脱がせてくれて裸で触れ合った時も、オレの肌は湿ってて京平の肌はさらさらに乾いてて、
「重なると…気持ちいい。」
ヤった後に2人で入った風呂はちょっと狭かったけどあったかくて気持ち良かった。服も下着も全部京平のを借りた。今度返さねえと。次は日曜日…、早く、
「会いてえな…。」
「寝言で惚気てんの腹立つなあ。しかもかわいいし。」
「あーあどこがいいんだろう。僕達のが絶対優秀だろ。」
呆れてる声。なのに目の上と右手の暖かい体温はまだある。夢の中でも優しさって感じるんだな。いつだってオレは2人に感謝してる。
「2人…とも、…ありがと。」
「うん。御礼なんていいよ大好きだよ。」
「だから早く僕達のものになってよ。」
ちゅっ、ちゅっと、ほっぺにキスされた気がした。
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