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No.72/モブ男
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「ごめんな。オレが京平の隣の奴に席替わってくれって言えば良かった。」
昼休みに弁当も食べ終わって残り時間で自販機の所まで来た。イチゴオレのボタンを押してる京平に謝る。
「何で、ジュース奢るくらい大した事ねえよ。真琴は何飲みたい?」
「ううん、オレはいーよ。」
「遠慮すんな。選ばねえとかなり微妙な野菜オレにするぞ。」
「あー…うん、」
京平は相変わらずモテる。付き合ってる人がいるからって、デートを断ってくれたのは正直嬉しかった。でもなぁ、今のオレは学校と塾通いで時間の余裕なくて付き合う意味ないとか思われてねえか不安だ。
「ほら、ちゃんと飲めよ。カルシウムまで入ってるってよ。そんで少しは太れ。」
ジュースを受け取る。人がいる自販機から離れて人気の無い場所に進むと京平が黙って付いてくる。オレは話したい事があって、誰もいない空き教室に2人で入った。
「…デート出来なくてごめんな。今週は京平の家にも行けねえし…。」
「何だよそれ気にしてたのか。ずっと元気無いから心配した。」
「だって…京平は他にもいっぱいデートしたがる女の子いるだろ。不安になった。」
「俺は真琴以外とはデートしたくないし、しねえよ。それにこうやって会えてるから大丈夫だ。」
ぎゅっと抱きつくと、京平もぎゅっと抱き返してくれる。
「お前こそ大丈夫か?…ちゃんと今みたいに自分の気持ちを言え、絶対溜め込んだりすんなよ。お前は明後日の方向に空回りすっからさ。」
ろくな事になんねえからって念押しされる。
「うん、ちゃんと話す。だからイヤがらずに聴いてな。」
「当たり前だろ。」
「へへ。」
笑ったら唇にキスされた。ああ久しぶりだ。今日のキスはあんまし激しくない。優しく重なって、ペロリと下唇を舐められた。
「なーあとさ、一つお願いがあるんだけど。」
「ん、何だ言ってみろ。」
少し笑みを浮かべてる、カッコよくて声も甘くて優しくってドキドキする。これ言っても大丈夫かな。
「…野菜オレ半分飲んで。」
激マズな予感するから。
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