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No.74/モテ男
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能戸と2人で自宅に向かいながら、近くのコンビニで奢ってやったソーダ味のアイスを食べ終わる頃話し掛けた。
「お前さ、東野から俺との事何か聞いてんの。」
本来なら帰り道が一緒の鳥海は、紅葉と勉強する為に真琴達について行ってしまった。最近は殆どそうで能戸の側から離れて双子と一緒に行ってしまう事が多い。昼休みも弁当は友達と食べてる様だし、やっと能戸との事に踏ん切りをつけたのかもしれない。
「んーまあね。中3の時だっけ?東野の彼女を取ったって話だろ。でも本当はそれって違うんじゃないの。あの女が加賀の事好きになって一方的に東野振ったって話だろ。」
「…何だちゃんと解ってんのか。」
「そりゃね、だって東野と別れたあの女と付き合ってなかっただろ。まあ、あの女は勝手に彼女気取りでウロウロしてたけど、」
「その所為で余計に東野は俺が女取ったって事に決め付けたんだよ。」
「東野ってちょっと頑固だもんな。あんな女のどこが良かったんだか。」
「だろ。あんな女より少しはダチを信じろっての、」
「うん。そこばっかりはあいつの判断ミスだな。」
いい奴なんだけど、そう言って能戸が笑う。俺も笑いながら心の何処かがスッキリしてきた。理解者がいるって事がどれだけ重要だったか、今頃になって感じてる。
「ああ、マジで馬鹿らしい。」
もうダチいらねえとか俺の拘ってたものなんて大した事なかったんだな。もっと早くに気付けたら、そしたらもう少し上手く人と付き合って来れたんだろうな。
「で、相談ってまことっちの事だろ。」
「察しがいいな。真琴にはこの話をするべきか迷ってる。」
「ふうん。何だてっきり東野との付き合いを止めさせたいのかと思ってた。」
「それは一方的過ぎるし真琴が嫌がるだろ。」
「ははっ。愛されてるなぁ。隠さずに話してみればいいんじゃない。それでどう判断するかはまことっち次第だろ。」
「そうだな。そうするわ。お前のアドバイスはアテにできそうだし。」
「友達ってのもいいもんだろ。」
「まあな。」
出来るだけ素っ気なく聞こえるように言う。本気で今日は能戸というダチを得た事が嬉しかった。
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