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No.75/モテ男
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「松田さん。今から頑張れば、K大学合格とか出来ますか。」
「軽く血反吐を吐けば。恐らくいけるかな。」
つまり、相当勉強しねえと難しいって話だろ。いや分かっていた。俺は今頃本気出そうと思い始めてる。というのも東野の事があってからだ。
奴と真琴が仲良くK大に行く…いやいや嫉妬とかじゃねえけど。別に行って良いとも思うし。けどなあ、そこに俺が入ってけないのは何か嫌なんだよな。モヤモヤするっつーか、やっぱり中々割り切れない感情。
「やっと本気になってきたんだね。でも急にどうしたの。」
家庭教師ってのも大変なんだな。松田さんは根気強くやる気の無い俺にも解りやすく勉強を教えてくれてた。
「付き合ってる奴がK大志望で、しかも合格圏内にいるんですよ。こんな動機じゃ駄目っすか。」
「いや、良いんじゃないかな。俺も大した動機じゃなかったよ。K大学に入る為に軽く血反吐を吐いたクチだし。」
「へえ、てっきりM学とかの出身かと思ってました。」
「いや、普通の公立高校卒業。M学は従兄弟が通ってるな。1年生なんだけど、すっごく可愛い子なんだ。」
見る?っていきなり笑顔でスマホを取り出す。なんだよその急なデレ振り。松田さんてイケメンなんだけどちょっと引くわ。
「はあ。」
どうせ身内贔屓で大した事ねーだろ。そう思って画面を覗く。
黒髪のショート、大きなタレ目と長い睫毛。チークでもつけてんのか桃色の頬と、ぽてっとした小振りの赤い唇、細い顎。これは間違いなく美少女だった。M学の制服姿で笑ってる上半身の写真。
「マジで可愛いんすね。美少女ってやつ。」
「はは、美少女ね。」
何でか可笑しそうに笑ってる。
「美少女でしょう。」
「あーうん。そう見えるけど男だよ。男子高校生。」
「……。」
嘘だろ!もう一回見る…これ男か?
「うんうん。みんな騙されるからね、分かる。でも加賀君レベルだと、このくらいのレベルの美少女が彼女でしょ。きっと見慣れてるよね。」
「…かわいい、感じなんで。」
真琴はこんな美少女って顔じゃない。けど、やっぱり好きだし。俺にとっては美少女よりもかわいい奴だ。
「じゃあそのかわいい子の為に、これから容赦なくやらせてもらうね。K大学合格させるように最善を尽くすよ、血反吐を吐く覚悟は出来てる?」
「宜しくお願いします。」
「うん。」
松田さんはスマホをしまって、ニッと笑った。
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