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No.76/モテ男
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「よかった。カノジョ取ったりしてないんだな。」
土曜日も夕方から塾がある真琴とは朝から会う約束をしていた。俺の部屋でベッドに腰掛けて話す。東野の不意打ち暴露によって昨日は良く眠れなかったらしくて疲れた顔してる。
「ああ、全部東野の勘違いだ。」
「そっか。前に恵子さんが言ってた女のトラブルで友だち失くした話って東野の事だったのか。」
「うん。」
「なんで東野は、京平を信じてやれなかったんだろ。」
「そんだけ、その女が好きだったんじゃねえか。」
もしかしたら俺の事が嫌いだったって可能性もあるけどな。
「そっか…そうかもな。」
「この話はもう止めようぜ。それよか昨日、松田さんに出された宿題が嘘みてえに多いから参ってる。」
分厚い数冊の問題集を見せると真琴が目を見開く。
「スゴイな!そんな頑張ってんのか。」
「今迄サボってた分、頑張って真琴に追いつかねえと。でさ、ちょっと栄養補給させてくれ。」
「あードリンク剤とかか?」
「いや、真琴を丸ごと。」
隣の身体を引き寄せて唇を重ねる。柔らかな唇を軽く啄んで舐める、
「ん、」
無防備に開いた口から舌が出て、キスに応えて絡まった。甘く温い唾液が混ざり合う。
「はぁ…京平、」
離れると熱っぽく名前を呼ばれる。トロンとした瞳、吸ったせいで赤くなった唇が色っぽい。最近の真琴はなんか艶がある…見てるとヤバいんだよな…。
「真琴、」
シーツの上にゆっくり寝かせる、また痩せてる。別にガリガリになってるわけじゃねーけどさ、なんか前みてえに勢い良く押し倒したら壊しそうで怖い。
服を脱がせて身体を確かめる。これ以上痩せて欲しくねえな。そんなに自分を犠牲にしてまでK大に進学して何を学びたいのか。いや俺は取り敢えず進学ってクチだし、真琴程の強い意志があってのK大じゃない。だからこそ聞いてみたくなった。
「なあ、K大で学びたい事って何だ?」
「え?」
「いや、何かやりたい事とか目標があんのかと思って。就職先とかさ。」
「え?」
キョトンとしてる。もしかして真琴も取り敢えず進学ってヤツかな。
「いや別にいいや。俺は取り敢えず進学して、それから探って行こうかなとか思ってるし。真琴もそうなんだな。」
「……。」
ぼんやりと俺を見てゆっくりと瞬く。何か様子が…瞬いた筈の目蓋が完全にくっ付こうとしてる。
「待て、寝るな!」
しまった、寝不足の真琴をベッドに倒したまま話をし過ぎた。どうしてそんなに寝付きが良いんだよ!せめてヤってから寝てくれ。
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