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No.81/モテ男
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俺の家に帰って来た。真琴は能戸が先に帰ってからもまだ俺の部屋に居る。というか、引き留めた。ちょっと2人で話してえ事があるし…。
「なあ、東野に何もされてねえか?」
俺と能戸が見た時は正座して説教されてるところだったし、大丈夫だとは思うけど念の為。
「えーと…、あのな。ちゃんと言うから、それで京平と東野との仲がまた悪くなるのはイヤだから怒らないで聞いて欲しいんだけど、」
「…うん、分かった。」
何だ、何かあんのか…。ちょっと不安になってきた。
「なんていうか…たぶんキスをされそうになったけどされずに済んだ。それだけ。」
それだけって…いやいや大問題だろ。
「…何だよソレ。もっときちんと最初から説明しろ。」
「うんと、東野の部屋でマンガ読んでて、今日で塾を辞める事を言って、そっから京平の話になって怒らせて…」
その話を最後まで聞いて思ったのは、東野が案外本気で真琴を好きだったんじゃないかって事だった。
「ごめんな、怒ったか?」
「正直に言えば少し腹は立つ。でもそれはさ、嫉妬だ。真琴の首や鎖骨を触った感触とか、」
目の前の首や鎖骨を撫でる。
「指を絡めた時の熱とか、」
手の平を掴んで指と指を絡める。
「出来ればそれは俺だけが知っていたい。」
最後に手の甲にチュと軽くくちづける。
「うん。うんオレも。これからは京平だけに知ってて欲しい。」
真琴の唇が俺の手の甲に優しく触れた。何かを祈る様な仕草に見える。
「急に保育士になる事に決めてごめんな。でも、将来の事もホントに真剣に考えて出した答えだから。」
俺の気持ちはもう決まってるし、そんなのは謝られる事じゃない。
「来月、専門学校の試験だろ。きっと真琴なら大丈夫だから。例え進学先が別れても俺はずっと側に居る。」
「オレもずっと側に居る。だからK大受験頑張れ。オレの全力パワー送ってやる。」
繋いだ指先に力がこもる。真琴の額が近付いて、コツンと軽く俺の額に押し当てられた。目蓋を閉じた顔が間近にある。
「ははっ。真琴程の良い成績じゃねえけど、精一杯頑張るわ。」
「うん。」
ゆっくり額を離して、まだ目を閉じたままの無防備な唇にくちづける。柔らかく、しっとりとしていて思わず舐めた。
「京平、」
応えるように口が開き、舌が少しだけ出てくる。まだ恥ずかしがってんのか…スイッチが入ったら大胆なクセにな。そんなところもかわいい。
「ぅ…ん、」
唇を離すと瞳が熱く揺れる。多分無意識なんだろうけど誘ってる様にしか見えねえ。
「そんな顔すんな。今日はもう時間ないだろ。明日学校だしちゃんと自宅まで送るから。」
こんな姿を東野に見せたら…。ゾッとする、キスが未遂で助かった。あいつの執着心が強くなって手に負えなくなるところだった。何せ頑固でしつこいからな。これ以上ライバルは増やしたくねえ。
「そんな顔ってなに。どんな顔してんだよ、」
「かわいくてエロい顔。」
「それは」
ちゅ、
何か言い掛けて開いた、赤く濡れた唇を吸う。直ぐに離れて自分の唇を舐める、うん甘い気がする。
「っ!」
何でか真琴が真っ赤になった。
「京平だって、エロい顔してるから。」
「そうか?」
自分じゃ分かんねえもんだな。
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