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No.83/モテ男
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昨日の出来事を話し終えた真琴の笑顔を見て…ちょっと絶句した。何から突っ込んだらいいのか。
「美少女…じゃなくて杉山と仲良くなって良かったな。でもな一つ注意しておきたい事がある。」
「ん、なんだ?」
何の曇りも無い顔。こいつの危機回避能力はどうなってんだ…思い出せ、数々の失敗を!
「そんな明らかに不審な様子の人間には近付いたら危ないだろ。しかも公園とか、何されても中々助けとか来ないからな。相手が杉山だったのは幸いだった、変態オヤジとかだったらトイレに連れ込まれてるぞ。」
「トイレに?なんで?でもスギヤマはオレよりも小柄だし、見るからにしょんぼりしててイヤな感じしなかった。それに泣いてんのかって思ったから、」
何だ、一応ちゃんと相手を見てんのか。ちょっと安心する。そういや東野の時もキスされずに済んでたしな。真琴なりに考えてんのか。
「スギヤマは壺好きなんだ。おばあちゃんから貰った壺…えと、香炉だったかな、それを壊してしまって接着剤でくっつけたみたいだけど、なんか納得の仕上がりじゃないんだろうな。それで公園で眺めて話しかけてたみたいだし、名前までつけて大事にしてるんだぜ。」
「へえ…。」
とんだ壺マニア。
「あとな、保育士に興味があるって。オレの持ってる専門学校のパンフレットとか、保育士の本とか見せたら今度オープンキャンパスに行ってみるって言ってた。」
「良かったな、杉山と気が合いそうだな。」
「うん。なんかさ、スギヤマって可愛いんだよなぁ。紅葉が言ってたけど、M学でも可愛いって有名らしい。」
「ちょっと待て、まさか好きになったりしてないよな?」
きょとんとしてる。大丈夫かよ、惚れっぽい女好きの血が騒いでないか心配だ。
「好きだけど。あ、でも京平とは違うな。なんていうか弟みたいな感じ。」
「そっか、ならいいけど。」
「京平。あのな…終業式が終わったら、少しだけでも一緒にいれねえかな。」
「終業式?ああ午前中で終わるし、飯でも食いに行くか?」
終業式って来週だっけ?何日だったか…。
「…うん、ゴメンな。勉強大変なのに。」
「いんや、何食いに行く?原と能戸も誘うか。」
「えっ……あ、うん。そっか、みんなで一緒の方が楽しいかもな。そうだよな…。」
真琴が何か言いたそうにしてたけど、その時の俺は気付いてなかった。正直、勉強が大変過ぎてちょっと寝不足だし、日にちの感覚が鈍くなってる。
「真琴、」
キスする為に近付く、後ろ頭を捕まえて唇を重ねると真琴が目を閉じる。そのまま押し倒した。
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