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No.84/モブ男
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近付くクリスマス。その前にクリスマスイブ。どうすっか……困った。どっちでもいいから、少しだけ2人でいたいけど…。
「終業式の後はえりりんと一緒に飯食うから、無理。」
パン食ってる龍壱にあっさり断られた…。
「えー、まことっちそれで良いの?折角だから、2人で飯食いなよ。」
烏龍茶飲んでるキイチも遠慮して断ってきた…。
「何だ付き合い悪いな。なら真琴と2人で行くか。」
京平があっさり頷く。これでクリスマスに2人きりになるのは良いけど…プレゼントってさ、何が欲しいの分かんねえから用意出来てねえ。何気にリサーチしてみたけど、欲しいもんはって聞いたら睡眠時間とか言うし…。
クリスマスって、受験生にとっては関係ない感じかもな。オレは進路が決まってるから暇だけど、京平は今が追い込みだし。
「真琴、その卵焼きくれ。」
オレたちの教室で4人で食ってる昼飯。最近は寒いから屋上に行かなくなった。
「うん。」
「コンビニのやつだけど、唐揚げ食う?」
オレが差し出した弁当の卵焼きに爪楊枝を刺して、代わりに唐揚げの入った紙コップを差し出す京平。
「おー、ありがと。」
一個貰って唐揚げをもぐもぐしてたら、卵焼きを食べ終えた京平が言った。
「これお前が作ったろ。」
「うん。よく分かったな。」
「真琴が作った卵焼きすげえ好みの味なんだよな。ほらゴールデンウィークに作ってくれたろ、衝撃の美味さだったから覚えてる。」
そう言って笑顔になる。うおぅ眩しい…イケメンの笑顔が眩しい!
「和食食いてえ。はぁ…。」
遠い目して細やかな願望を呟いてる。恵子さん料理苦手だもんなぁ。この前会った時もチンした冷食を食べさせてくれた。多分手料理に飢えてるよな京平。
あ。そうだ、和食。
「なあ。終業式終わったら京平んちに行っていい?」
「いいけど、夕方になったら松田さんが来るから、それまでなら大丈夫。」
「うん。」
よしっ!心の中で拳を握る。これで一気に解決だな。クリスマスプレゼントは和食の昼食。そして昼寝すれば完璧だろ。
「へへへ、」
思わずニヤけたら、
「真琴、気持ち悪い笑いすんな。お詫びにそのベーコン巻き寄越せ。」
龍壱がやっすいチンピラみたいな言い掛かりを付けてきた。
「なんだとぉ!このヤロー。代わりにそのコロッケパンを一口寄越せ。」
「バカやろーお安いご用だ、このやろー。」
「なら、取りやがれ!」
「ありがとよ!」
ベーコン巻きの刺さったピックごと龍壱が取っていく、食いかけのコロッケパンを差し出されて一口かじった。うお、美味い!
「なあ加賀。思うんだけど…原が彼女いて良かったよな。これでライバルとかになったら、あっさり持ってかれそう。」
「…えりりんって見た事ねえけど別れねえで欲しいな。もう今すぐ結婚しろって感じだわ。」
キイチと京平がボソボソなんか話してる…。龍壱と食べ物トレードしててよく聞こえなかった。
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