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トリカイの冬休み(3)
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午後2時過ぎ。昼間と言えどもう直ぐ年末の真冬の寒い室内は暖房がないときつい。俺の部屋に去年つけてもらったエアコンが出す、暖かな風が能戸さんの髪を揺らす。
俺の淹れたホットコーヒーを飲む彼。伏せられた眼差しと、ふうっと熱を冷ます少し尖った唇。…むらって、むらむらってなるのは何故。
「鳥海、ほら手を動かす。もう少しで下書き終わるだろ。」
「っ!はい。」
やばっ、じっと見てたの気付かれたかな。今日は平日、俺は冬休みだけど親は仕事でいない。2個上のねーちゃんは受験生で友達んとこに勉強しに出掛けてて、帰ってくるのは夕方。だから…この家には能戸さんと俺だけ。
チャンス、チャンスだろこれ。って何のチャンスだ。
「この作家って、癖が有るから苦手な人もいるのに勧めてごめんね。別の本にすれば良かった、」
彼の指先が本の表紙に触れる。愛おしそうにタイトルをなぞった。そんなふうに俺にも触れて欲しい。
「いえ、きっとどの本も俺には難しいから、」
今の俺は彼のちょっとした動きに敏感に反応して、少しでも俺の事を好きな素振りしないかなって求めてる。変…だよな、いやいや変…じゃない。誰だって嫌われるよりは好かれたいって思うだろ。だったら当然の事だよな。うん、大丈夫。
ああ集中しろ!早く下書きを終わらせて、清書は夜にやるから空いた時間で能戸さんと色んな話をしてみたい。どんな人がタイプかとか、好きな人がいるのかとか、もしくは付き合ってる人がいるのかとか…。聞きたい事がたくさんある。これは単なる好奇心だ、別に俺と付き合ってほしいとかそんなんじゃ…ない。たぶん。
先輩が俺の隣で本のページをめくる。静かな横顔を盗み見しながら、ついに頑張って書き上げた。邪な思いと戦った渾身の作品、読書感想文。
「能戸さん、やっと終わりましたよー。概要とか主人公の心情とか教えてもらって助かりました。本当有難うございましたあっ。」
感涙ものだ。
「ふふ、良かったな。」
ふわっと、空気が香る。どうしてこんなにいい匂いがすんの。彼の雰囲気が柔らかい、長い睫毛が細められた瞳を縁取る。唇が微かに開いている…ああ、触れてみたい。キスしたらきっとすごく…。
「鳥海、眼鏡してない顔見てみたい、」
そう言って、彼の温かい指先が俺の眼鏡を外した。
「能戸さん…、」
目の前にある少し傾いた顔。この角度、これはキスしていいよの角度だろ。
もうこの気持ちは誤魔化せそうもない。俺は能戸さんが好きだ。
すけべ心満載で唇に唇を近付ける。
「鳥かっ…、ん」
俺の名前を呼ぼうとしたのを途中で塞ぐ。ああやっぱり柔らかい。
夏に別れた彼女をほんのちょっと思い出す。キスもアレも全部経験済みで、今の俺の状態は、既にむらむらって反応してる。男同士って確かケツの穴に…キスしながら考える。全然萎えない、イケる。したい。挿れたい。
能戸さんの身体を服越しに撫でようとした、
ん?
なんか、俺の服越しに脇腹を撫でながら手の平が上がってきて胸に触れる。乳首を摘まれた。
「っん、ぁ…」
思わず声が漏れた。彼の舌が俺の舌に絡む。随分積極的…てか上手い。しかもいつの間にか俺のシャツのボタンが外され、保温効果のあるぴったりとした下着が捲られてる。絡んでた舌と唇が離れる、自由になった口から熱い息が出た。
「はぁ…、」
舌がべろっと首筋を舐める、ちゅうぅと乳首を吸われる。
「ぅあっ、」
「いい反応。思った通り身長も体型も好み。眼鏡がない方がもっと近付く。鳥海って女の子が好きなノン気だよな?」
「な、なに…そうですけど、」
「ふふふ。合格。」
能戸さんの唇がにぃっと上がった。あれ?なんかイメージが…。
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