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トリカイの冬休み(4)
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誰か、俺のこの状況を説明してくれ。
「あっ、駄目っ、ちょっと能戸さん、どこ触ってる、」
むらむらなスケベ心で押し倒そうとした筈の人が、俺の上にいる件。しかもジーンズのチャック下りてるし、パンツ越しに俺の股間を掴んでるって件。静まれ、俺の半身!
「なに、嫌なの?」
「い、嫌っていうか、嫌じゃないけど、ちょっと違う感じだって思って…、」
「ふうん?俺の事をどう思ってたんだか知らないけどヤル気ないなら止めるけど。同意無しならしない主義。無理にしなくても他にも相手はいるしね。」
あっさりパンツから手を離し上から退く。冷たく感じる態度、まるで知らない人みたいだ……いや、俺はほとんど彼の事を知らない。だから勝手なイメージで優しくて綺麗な人だと決めつけてて、意外に男っぽくて、こういう行為に手慣れた様子の彼にびっくりしてるだけ。
「他にも…、男の相手が?」
「何。気になんの?」
「そりゃ、気になる…です、」
瞳が伏せられる、唇から漏れる溜め息。ああ、ウザがられてる。……馬鹿な質問をした。
つまり、能戸さんが求めてるのは身体だけの関係なんだろ。だって相手がたくさんいるのなら、付き合う気はないって事だ。勿論、俺とも。
「俺はさ、きっと鳥海の考えてる様な良い人間じゃない。もしも鳥海が本気で俺を好きになる可能性が有るなら、もう会わない方がいい。」
でも、それでもいいって胸の奥が熱くなる。身体を求めてくれるなら、それだけでもいい。
「俺が…これから本気になるかなんて、今は分かんないです。」
いや、本当はもう手遅れだ。でも、それを言ったらもう会ってもらえない。馬鹿な考えだって知ってる、きっと後で泣く事になるんだ。
「そ?じゃあ、どうするか。…俺と寝てみる?」
彼の指先が俺の唇に軽く触れる。もっと本の表紙を撫でた時の様に愛おしく触れてよ。悔しいだろ。俺は本より劣る。
彼は俺の身長と体型…それにしか惹かれてない。そんなら代わりはいくらでもいる。きっと能戸さんの心の中にある誰かの身代わり。
そっと舌を出して彼の指先を舐める。指の腹を辿り、またを舐め、折り返して吸い付く。
「いいねえ。積極的なの好きだよ、その気になる。」
彼の唇が笑みを浮かべる。薄情な、獲物を見る目。眼鏡がなくたって分かるよ、俺の事なんて好きじゃないの。
俺の口から引き抜いた唾液まみれの指を、今度はパンツの中に潜らせてくる。直に握られる。絡む濡れた指。
「っは、ぁ、」
「本当、反応がいいな。」
ジーンズが脱がされる。パンツの中が濡れた音を立てた。恥ずかしいとか、そんなん忘れて夢中で快感に縋る。
「あ、っそこ、やめ、」
とっくに出そうな状態。でもなんか、能戸さんの手の動きがケツの方へ…。
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