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君の話を聴こうか、[冬休み]
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今日から冬休み、親は仕事で居ないから一日中3人で一緒だ。いつもよりも遅く起きた僕達は、先に起きて朝食を食べずに待っていてくれた真琴に近寄った。
兄ちゃん、おはよう。
ちゅっ、と右頬にキスした。
ふあっ、
変な声を出して、口を半開きにしてびっくりしてる。キスされた頬を抑えて僕を見た。そこへ紅葉が来て、
兄ちゃん、おはよう。
ちゅっ、と左頬にキスした。半開きの口からふあっ、とまた声が漏れる。
な、な、キス…、
髪にキスされるのは平気だったのに、頬はやっぱり気になるのか…。だけど、気にしない。堂々とさも当然だという雰囲気で僕は言った。
挨拶のキスだよ。ほら、よく映画とかで見るでしょ。僕らも兄弟なんだからするべきだよ。
あ、挨拶…。
そうだよ、兄ちゃん。挨拶はちゃんとしないとね。もしかして…僕らとは嫌だった?
紅葉が悲しそうに首を傾げて問う。僕も合わせて、悲しそうな表情で首を傾げる。真琴は僕達の顔を交互に見て、ぶんぶんと首を振った。
全然、イヤじゃないから。あの、急でびっくりして!でも、もう大丈夫。ごめんな!
一生懸命に謝ってくる。僕達は良かったぁと微笑んだ。そのまま両側からぎゅーっと抱き締める。ちゅ、ちゅ、と同時に頬へキスした。今度は真琴もじっとしてる。
兄ちゃん、朝ご飯食べよう。
兄ちゃん、待っててくれて有難う。
うん。
左右から真琴の手を握り、食卓へ移動する。母さんが作ってくれていた朝ご飯を3人で食べ始めた。僕達が学校が休みの日は、父さんと母さんだけで先に食べて仕事へ出掛ける。
美味しいね、母さんの料理。でも、兄ちゃんの料理も大好き。
紅葉が笑顔で言った。真琴が恥ずかしそうに笑う。冬休みの間の昼食と夕食は真琴が作る事になっている。受験生なのにと僕は思ったけど、本人は楽しいからやりたいと言う。
僕達は料理が出来ないから、手伝いもあんまり出来なくてごめんね。でも、買い物は一緒に行こう。
僕がそう言うと、真琴は頷いた。
3人で買い物とか、初めてだなぁ。へへ。
かわいい…。どうしよう、すごくかわいい。この笑顔を見て、馬鹿っぽいとか思って苛立っていた自分が信じられない。こんなにかわいいのに!
紅葉を見た。同じ事を考えているのが直ぐに分かった。目が合う。
だよな。
同じタイミングで頷いた。日増しに大きくなる思いが、ぐらぐらと理性を揺さぶる。そう、冬休みは一日中一緒なんだ。
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