アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
君の話を聴こうか、[特別な挨拶]
-
真琴が昼食を作って、僕達が片付けの手伝いをする。料理は無理でも皿洗いくらいなら何とかなる。
2人とも、ありがとう。
真琴がフライパンを片付け終わって、テーブルを拭き終わった僕と、食器棚に皿をしまった紅葉に言った。
ううん、兄ちゃんこそご飯作ってくれて有難う。
と、紅葉が真琴に近寄り頬に軽くキスする。
美味しかったよ、兄ちゃん。有難う。
僕も反対側へ行って、ちゅと頬にキスした。昨日から頬へのキスを何度か繰り返してる、最初は体を硬くして身構えていた真琴も、随分慣れたみたいだ。自然体で受け入れている。この調子なら、もういいかな。
兄ちゃん、
呼び掛けて僕の方を向かせた。ふっくらとした艶々の唇。そこに顔を傾けてちゅ、と触れすぐに離れる。ほんのりミートソースの香りが鼻をかすめる。さっき食べたミートソーススパゲティの匂いだ。きっと僕も同じ香りがする筈。
……うわっ!わ、わ、
一拍置いて、ぼうっとしてた真琴が飛び上がった。凄く取り乱している。その手を紅葉が握った、
兄ちゃん、
自分の方に引き寄せてからちゅ、と唇に触れて離れる。完全に固まった真琴は口を半開きにして呆然としてる。
今のって、キス…だよなぁ、
小さく呟く声。うーん、思ったよりもショックを受けてる。あ、そうか…やった事ないとか言ってたな。それが拘りのポイントなのかな。とにかく安心させてやらないといけないな、もっと心のガードを緩めてやらないと。
兄ちゃん、僕達とするキスは挨拶。だから、ノーカウントだよ。家族なんだから、これはやって当然なんだ。
僕は堂々と嘘をつく。その発言に紅葉も乗ってきた。まだ握ったままだった真琴の手の平に、キュッと力を込めて自分の方へ意識を向けさせる。
そうだよ。これは親密になった証拠。僕達兄弟の絆が深まったからなんだ。だから、普通のキスと同じに考えたら駄目だよ。でも…もしかして兄ちゃんは、嫌だった?
ああ、ごめんね。嫌なら仕方ないよね…僕達が勝手に、兄ちゃんとの絆が深まってると勘違いしてたんだ…。
すかさず僕も加勢する。何だか悲しいよ…、僕達は眉根を寄せて俯いた。
あ、あの、な、
少しの間を置いて、真琴が紅葉の手の平を握り返した。そして、僕の手の平にも手を伸ばすとキュッと握る。
えっと、ごめんな。さっきのは兄弟の絆が強くなったからなんだな…オレはそんなの全然知らなかったから驚いて。あの、イヤじゃないから、挨拶のちゅうしても…大丈夫!
いつもの晴れ晴れとした笑顔。ああ…胸のどこかがキュンと鳴る、そして同時にズキンと痛んだ。ごめんね、騙してごめん。でも大好きなんだ。こうやって僕達の思うように真琴を変えて、慣らして…そして、その先は…。
兄ちゃん、本当に大好き!
そう言って、もう一度唇を近付ける。真琴はハッと体を硬くして、でも逃げずに留まった。
えらいね、本当に。こんなにも素直で従順に、まるで疑いもしないなんて。
柔らかな唇に触れる、さっきよりも長く留めてゆっくりと舌を差し込んだ。ビクッと揺れる体をなだめる様に、力の緩んだ真琴の手の平から手を抜いて背中に這わせる。逃げれない様に距離を詰めて口の中を探った。ミートソースの味がする…。緊張して強張る舌を押す。唾液を吸う。ああ、すごくいい。
待ち切れない様子の紅葉に肩をつつかれて、しぶしぶ名残惜しく離れる。場所を紅葉に譲った。
兄ちゃん、僕も大好き!
さっきの行為で濡れてる唇に、紅葉がくちづける。また真琴の体が揺れる、紅葉も腰を抱き寄せて体を密着させた。
んっ、ぁ、
真琴が小さく声を漏らす。ぞくぞくする。人のキスをこんなに間近で見た事なんてなかった。しかも、紅葉だろ。僕と似た顔…いや、人によっては全く同じだって言うけどさ。なんか、自分のキスを客観的に見てる気になる。
紅葉がやっと真琴を解放した。放心して、ぼんやりと僕達を見る。瞳が瞬いた、夢でも見てる様な表情。
兄ちゃん、これからはたくさんしようね。もっと仲良くなりたいんだ。
兄ちゃん、これは僕達兄弟だけの特別な挨拶だから親には内緒だよ。
僕達が左右の耳元で優しく囁く。真琴は操られるように、こくりと首を振って頷いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
199 / 235