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君の話を聴こうか、[アイス]
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「楓、大丈夫だった?電話したのに出ないから心配した。」
帰宅したら紅葉が寄って来た。僕はスマホを学校でバイブ設定したまま鞄に入れていたのを思い出した。
「ごめん、バイブにしてて気付かなかった。」
「そっか…ちょっと部屋で話せる?」
頷いて一緒に二階へ向かう、僕はいい加減に汗臭い制服から着替えたかったから自分の部屋に誘った。話が終わったらシャワー浴びよう。
鞄を置いて、早速シャツを脱ぎ始める。本当最悪だあいつ。シャワーを拒否してさっさと帰ろうとしたら、道知らないだろって駅まで送ってくれたけど…結局電話番号教えてないし、聞いてない。
「楓…あのさ、言い難いけど…ここキスマーク付いてる。」
「えっ!」
ぎょっとして紅葉が触れてる場所、腰の辺りを上半身裸のまま体を捻って見た。いつの間に…ボクサーパンツのぎりぎり上にくっきり付いてる。
「これってもしかして、相手は能戸さん…?」
頷くべきか誤魔化すべきか、でも僕の目を見た紅葉には直ぐにバレた。
「やっぱり。僕も兄ちゃんも、楓の気持ちが落ち着くまでは、あんまり強引な事はしないでくれって止めてたんだけど、」
!!
びっくりして、紅葉を見た。僕はさっき聞いたばかりだってのに、
「何それ…紅葉も兄ちゃんも、能戸さんの気持ち知ってたのか?」
「能戸さんが楓を好きな事は、須田さんの件で絡まれたって聞いた後にピンときて確認したんだ。だって分かり易かったし。」
「分かり易かった?あれが?」
「まさか分かんなかったの?」
「……。」
そんなにびっくりした顔をされる程か、何だよ悪かったな鈍くて。でも、あの兄ちゃんまで知ってるのに…はぁ…。
確かに、ここのところ能戸さんの事に気が回る様な精神状態では無かった。僕は1人で足掻いていたつもりだったけど、2人はずっと守ろうとしてくれてたんだ。改めて兄弟の有り難味を感じた。
「で、付き合うの?」
「…今は、島田ナントカに嫉妬させてるところ。」
「え?シマダナントカ…何それ。」
「能戸さんさ、シマダを人間だと思ってるんだ。」
今日はヤるだけやって、結局聞いて来なかった。奴の方からシマダの事を聴きたいって言って来るまでもうほっとく。アイス食べ損なった恨みは深い。レモンソーダ味食いたかった。
「そういえば、アイス買っておいたよ。楓はレモンソーダ味でしょ。」
「さすが、有難う!」
思わず抱き締めたら、服着なよって笑われた。でもそのくらい食べたかったんだ。
「シャワー浴びてくる。」
上機嫌でシャワーを浴びに行く。さっさと出て、バスタオルで髪を拭きながら冷蔵庫へ。紅葉から奢って貰ったレモンソーダ味のアイスを取り出した。
ペリペリ袋から出して口に入れたら、期待通りの酸味と甘味。シャリシャリの歯応えも、僕の好きな感じ。
「美味い!」
今度会ったら、シマダが猫だって教えてやってもいい。そんくらい美味い。
紅葉に感謝しろよ能戸。
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