アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ー友人の恋人ー
-
「なんでこうなるかなあー」
そう言いながら俺の机に突っ伏している彼、中島蓮(なかじまれん)は、毎週誰かに告白をしては撃沈を繰り返し俺の所にやって来る。
ちょっといい人を見つけると直ぐに告白するもんだから、周りからは残念なイケメンと言われていた。
他には変態鬼畜だとか、男女構わず食べる猛獣だとか、色んな噂が絶えない男だ。
こいつのおかげで俺は毎週クラスの奴らに憐れみの眼差しを受ける羽目になってしまっている。
「で、今度は誰?」
「ゆみちゃん」
「二組の原西由美?」
「そう。蓮とは絶対無理!!っていわれたー!俺生きてけない!尚(なお)ちゃん慰めてー!」
腕を手にあてて泣いた振りをするのも毎度の事。本当はそんなに悲しくないんだろう。
涙なんて一切出ていないんだから。
「そりゃそうだろ。決まって毎週金曜日、お前が誰かに告白してんのは全クラス知ってんだから」
「嘘!?俺ってそんなに有名人なの?」
泣き真似をやめて俺に向けた顔はそりゃもう嬉しそうで。
コイツのポジティブ精神をめちゃくちゃにしてやろうかと何度思った事か。
「悪い意味でな」
「うわーん!安高(やすたか)くん酷い!!」
「苗字で呼ぶな気持ち悪い」
また泣き真似をして机に突っ伏す蓮の頭をバシバシ叩いてやると、走って教室まで逃げて行った。
どうせまた、新しい子を見つけるんだ。
毎週金曜日と土曜日、俺の嫌な日はまだ終わらない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 39