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意外に連はしっかりしていて、ちゃんと外出届けの紙を持っていた。また蓮から外出届けを出してもらい、昨日行ったショッピングモールの中にあるTOHOOというシネマに向う。
映画館に着くと人で溢れていて、土曜日だからかカップルが大半を占めている。
そんな中に、男二人が居がいる事に違和感を感じた。
周りがカップルや家族が多いからだろうか。男同士も居るけれど、俺達みたいに二人だけというのは居ない。
これが友達じゃなくて、本当の恋人同士だったら違和感とかなかったんだろうか。
「えーと、俺達が見る映画は…10時40分か。まだ時間あるけど、どうする?」
「取り敢えずチケット取ろうぜ。すっげー並んでるし」
まさに長蛇の列だ。これだけ人が居ればチケットを買うまでに結構時間が掛かるだろう。朝だから少ないと思っていたのに。
二人でチケット売り場の最後尾に並び、手持ち無沙汰に携帯を弄った。
一件だけメールが来ていて、開いてみると隼人だった。
『ま、頑張って』
それだけかいっ!!
「んー?何を頑張るのかな?」
「うわ、覗くなよ変態」
蓮の頭が顔の横に来ていて、慌てて携帯をズボンのポケットに仕舞った。
「変態はないでしょ。隼人くんから?」
「あぁ、そうだよ。お前の恋の為に映画見に行く羽目になった俺を心配してくれてんの」
「何それ…。俺と居るの嫌なの?」
少し、蓮が悲しそうな顔をした。
偶に見せるんだよな。その顔は、一体なんなのだろう。
「嫌じゃねぇよ」
「……そっか」
いつものヘラヘラした笑い方じゃなくて、フッと今にも消えそうな笑みを浮かべる。
気にはなるけど、聞かない方がいい気がして見なかった事にした。
「ほら、もうすぐだぞ」
話している内に長かった列は短くなり、カウンターまであと少し。
二人、四人と、カップルやグループの人達が進んで、思ったよりも早く、15分程度でチケット販売窓口に着いた。
後ろから六番目の、真ん中辺りの席を選び、まだ上映まで10分程時間があったため、隣の売店で俺はジンジャエール、蓮はコーラとイチゴミルクポップコーンを買った。
美味しいんだろうか、そのポップコーン。
蓮って、結構甘いの好きだよな。
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