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03
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尚に冴を紹介した後、もっと彼を知ろうと思い暫く自分の教室で冴と話していた。
「良かったな、やっと恋人出来て」
帰り際にクラスメイトが祝福の言葉を掛けてくれたけれど、嬉しいような、ちょっと切ないような。
よく分からないけど、胸の辺りがモヤモヤした。
とりあえず、好きな食べ物とか、漫画とかドラマとか普通の話をして、この後尚の所にご飯を食べに行く話をしたら冴も行きたいと言ったから一緒に行く事になった。
そろそろ帰ろうかって時にドアの向こうに尚が見えて、尚も俺をジッと見ていて、何故か、目を逸らしてしまった。
何と無く、イケナイ事をしている様な感じがして。
いつもと違う目で、俺を見ていた気がしたから。
「どうかしましたか?」
「ううん、何でもないよ」
心配そうに顔を覗き込む冴の柔らかな栗色の髪を、ちょっと優しく撫でてみる。
俺が、尚にしたいなって思っていた事の一つ。
頬を赤に染めてキュッと目を瞑る冴に、可愛いなー、と思う。
でも、俺の胸は何の反応も示さなかった。
「あの、蓮先輩と高安先輩って昔付き合っていたんですか?」
教室を出て尚の部屋に向かっている時、冴が興味心身な顔で聞いてきた。
どっからそんな話が出て来たのか、俺にはサッパリ分からない。
「付き合ってないよ」
「そうなんですか!?先輩達が中学生の時、蓮先輩と高安先輩は公認の仲って有名だったんですよ。僕も何度か蓮先輩と高安先輩が二人で仲良さそうに一緒に居るのを見ましたし、付き合ってるもんだと思ってました」
ああ、多分…あの時はいつも一緒に居たから。
何も気にせず、側に居られた時だったから。
「俺と尚が付き合ってた方が良かった?」
「それは嫌です。高安先輩が蓮先輩と付き合ってたら、蓮先輩僕に告白してくれなかったし」
冴の身長は165くらいかな。
上目遣いで俺を見上げてぷぅと頬を膨らます冴。
その頬っぺたを指で突ついて、空気を抜いてやった。
「何するんですか!」
「何と無く」
あぁ、俺、ぶりっ子が苦手なんだ。
初めて気付いた。
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