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結構強く押されたみたいで、尻餅をついた俺は呆気に取られていた。
「ビックリしたぁ!高安先輩いきなりなんなんですか!?」
「あ、いや…悪い」
高安…、尚?
尚が俺を突き飛ばしたの?何で?
「悪いですよ!キスしようと思ってたのに」
「いやー、ははっ。ちょっと蓮に急ぎの用があってさ、貸してくれるかな?」
「…え?は、はい!いいですよ!!蓮先輩を貸す代わりに、今度僕とご飯を一緒にしてくれますか!?」
尚がちょっと笑っただけで、冴の顔が真っ赤になっていた。ご飯誘ってるし。
顔が良ければ誰でもいいのか。そっか。
俺顔だけは自信あるからね。
誰かれ構わず告白していた俺は、冴には丁度良かったのかもしれない。
「ヤダね」
「何でですか!なら蓮先輩は貸しません!!」
「悪いなぁ。俺軽い子ダメなんだ。じゃあ、蓮借りてくから」
よく解らないまま、座ったままでいた俺の腕を掴んで立たされると尚がいきなり走り出した。
「うわ、な、なお!?」
脚が縺れそうになりながらも、何とか尚の走る速度に合わせて着いて行く。
「もーーっ!!高安先輩が人の恋人取ったって言い触らしますからねーっ!!」
「ごじゆーにーーっ!」
「ちょっ、尚…どうしたの!?」
暫く走って、裏庭に辿り着いた。
裏庭はカップルが集まる場所で、男女問わず恋人同士が自分達の時間を過ごしている。
大きな影が出来ている木の下まで連れて行かれ、俺の腕が尚の肩に回ったかと思えば視界がひっくり返った。
尚に、背負い投げをされたらしい。
いきなりの事で受け身を取ることが出来ず、背中が地面に打ち付けられる。
痛みを感じるよりも先に、俺は信じられない今の状況に頭が真っ白になっていた。
「ん、はっ…」
俺の唇を何度も啄ばむ尚。
離れてはまた唇を重ね、ぎこちなさはあるけど必死に俺の唇に自分の唇を押し付けてくる。
それだけで、今まで冴に反応を示さなかった俺の息子はスラックスを押し上げ始めた。
「はっ、ちょ…なお、離れて」
ゆっくりと離れて行った唇に名残惜しさはあるけど、俺が尚に欲情している事はバレたくない。
外方を向いて、今まで俺の唇に触れていたそれが小さく動く。
「何回キスした」
「え?な、なに?」
「だから、何回あいつとキスしたんだよ!!」
「あ、わ、わかんない」
「わかんない程、ね。で、…ヤったのか?」
「いや、最後までっ…!」
言葉の途中で、また、尚は俺の唇を塞いだ。
唇を割って入ってきた尚の舌に、恐る恐る自分の舌を絡める。
ピチャピチャと濡れた音が耳に届いて、この音が尚とのキスで鳴っていると思うとゾクゾクした。
どうしよう。我慢出来ない。
尚の背中に腕を回そうとした時、唇が離れ、顔を真っ赤にさせながらベッと赤い舌を出して俺の上から退くと、全力疾走で去って行ってしまった。
残された俺は追い掛ける事も出来ず、ただ、走り去る尚の背中をボーッと見つめていた。
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