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ほんとは、、 玖賀視点
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「ごめ…んはッ…。、さき…み、さき…ごめ…んむっ」
さっきの恐怖は何処かへ消えて、今度は申し訳ない気持ちになった。
さっきの申し訳ないより、もっと悪い気持ちになった。
本当に美咲は悪くないのに、なんにもしてないのに、不安にさせて、悲しくさせて…。
ほんとに俺はなんてやつなんだ。
最低じゃないか…。
ごめん、ごめん美咲。
俺はこの気持ちが伝わるように沢山謝った。
悲しくなって、息苦しくて、いろんな気持ちでぐるぐるになって、涙が零れ落ちた。
視界が滲みながらも謝った。
でもキスされていて、上手く喋れない。
だけど、少しでも申し訳ない気持ちが美咲に伝わるように一生懸命謝った。
「ご、め…ごめん…、んんっ」
「なんで、そんなに謝るの?…んっ、怒ってるなら、言って?…お願い。」
「ま、って…ちょ、止まって…んちゅ」
俺は1度キスを止めてもらうよう、美咲の胸をトントンと、叩いた。
すると美咲は察したようで。
「ん、ちゃんと話してね?」
「わか、った…んんむっ、ぷはぁ…ハァ、ハァ…」
「ハァ…それで?どうしたの?」
美咲が口を離すと、美咲と俺の唇に透明の糸が繋ぐ。
荒い息の中、大きく空気を吸い込み、呼吸を整える。
やっと話せるようになった頃には、美咲の顔がよく見えた、悲しそうな美咲の顔もよく見えて、とても切ない気持ちになった。
再度深呼吸をすると、俺は話し始めた。
「俺、別に美咲には、怒ってなかった…」
美咲の顔をちゃんと見れなくて、下を向いた。
「うん。俺、じゃなくて、他の人に怒ってたの?」
「うん…すげぇ腹立って、それで美咲に当たった…ごめん…。」
また視界が歪む。今にも零れ落ちそうな涙に耐えながらも、今度はしっかり美咲を見つめ、俺は続けた。
「本当、は。美咲に話しかけてきた店員さんに、腹立って…。」
「ん?なんで。」
「なんか…なんか美咲に、い、色目使ってるようで…俺も居んのに、わざわざ美咲に話しかけて、距離とかもすごい近くて…なんか、腹立った…。俺の…俺の美咲、なのにって…俺の方があいつより美咲のことよく知ってて…なのにって…。」
一瞬静かになったのがわかった。
「それって…」
美咲が、ハッとした顔で俺を見る。
ん?なんか、前にもこんなこと思ったことある…。
……あ、美咲が、告られた時だ。
あん時も、同じ気持ちで…。美咲が取られるって、俺のって…。あん時と同じ…。
いや…あん時はまだ気づいてなかった。
こんなにわかりやすいことなのに分からなかった。
自分で言ってて気づかないなんて、俺はどんだけ馬鹿なんだよ…。
いや、今まで気づいてないフリしてたのかも。分かってて、ずーっと分かってて、分からないフリしてた。
普通じゃ、ないからって…。だめだって。わかってた…。だから、わからないフリしてた。きっと俺は美咲より前から、ずっと。
俺は貯めていた涙を大量に流しながら、しゃくりをあげながら、美咲を見つめ、言った。
「お前が…好き、なんだ…」
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