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泣き虫 玖賀視点
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『離さねぇよ』
だった一言なのに、すごく安心感がある。
でも、なんだか美咲にばっか言われてるので、俺もこいつに言ってやる。
「離れてやんねぇよ」
…言葉的にはかっこよくないけど、いまの俺にはこれが精一杯だ。
美咲は一瞬驚いた顔をしたが、「そりゃよかった」と言って笑った。
どくんっ
心臓が跳ねたのがわかった。
すると美咲は俺の視線に気づいたのか、 同じように俺を見つめた。
目まで綺麗だ。
美咲に見つめられると、目が眩む。
鼓動が早まる。
俺たちはずっと見つめあった。
そしてお互いの顔を手で優しく挟み、引き寄せた。
鼓動がより一層激しくなる。美咲に聞こえそうで怖い。
鼻の先と鼻の先が触れるか触れないかの辺り。
目は開いたまま、視線も合わせたまま。
あと少しで唇が重なる。
その時
「好きだよ。」
美咲が微笑んで俺に言った。
少し驚いたけど、
「知ってる」
すると美咲は笑いながら「そっか」と言った。
なんだか俺、美咲が居ればなんにもいらない気がする。
俺の人生も、俺自身も、俺の全てを、美咲にあげることができる。むしろ捧げたい。
こんなことを思うのはおかしいだろうか。
だけど、想いが止まらない。
そして、止まらなくなった想いは涙となって俺の目から溢れる。
はぁ…やだな。
こんなの、泣き虫じゃん。
俺、涙もろいんだって。
ほんっと、幸せ過ぎて泣けるよ。
ありがとう、美咲。
俺と出会ってくれてありがとう。
俺と友達になってくれてありがとう。
俺の側にいてくれてありがとう。
俺のことを好きになってくれてありがとう。
そして
「大好き。」
そう言うと美咲は笑いながら「知ってる」と言った。
だから俺は「そっか」と言った。
そして何も言わず。2人で目を閉じ。顔をより引き寄せ、
俺の涙で濡れた唇と、美咲の柔らかく熱い唇を重ねた。
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