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会長と日野 猫カフェデート その3
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いっちゃんはいっつも『大丈夫』って言ってしたい事とか我慢するけんど、俺はちょっとでもいっちゃんと一緒におれる時間はいっちゃんの為に使いたい。
やき、今回の事やってすんごい申し訳ないと思うけんど、いっちゃんが望む事を俺は時間が許す限り叶えちゃりたい。
いっちゃんが喜んでくれるなら、俺はそれが一番嬉しい。
「て、天国だ……」
喜んでくれる理由が、俺以外にあったとしても。
「この子は看板猫のタマちゃんです!」
「タマちゃん……」
猫カフェに来たいっちゃんと俺。
ここに来たいって言ったいっちゃんに対してもちろん俺は大賛成。
いっちゃんが猫好きなのは知っちょったし、楽しんでもらえるならどこに行こうが全然かまんかった。
ここに来るまでにドキドキソワソワしよったいっちゃんは店に入った瞬間、今まで見た事ないくらいに目をキラキラと輝かせて猫を前に口を手で覆って大いに感激した。
「シャ、シャム猫ですか?」
「はい!とても人懐っこいんですよ!」
「わ……あ、ひ、日野っ見て!」
いっちゃんのこんな顔見たの初めて。
「どうしよう……僕…もう死んでもいいかも」
いやいやそれは違うやろ?
「ささ、中へどうぞ。当店では猫と触れ合いながらゆっくりくつろいでいただく為にフリースペースをご用意しております」
店員さんに通され店の中へと入って行く。
入り口から入って左側にはキャットタワーがズラリと並び、そこには色んな種類の猫が客人をもてなしよる。
「っっ‼︎…」
目の前に広がる楽園。
いっちゃんはピシャリと固まってしまった。
「いっぱいおるなぁ〜?」
と、声を掛けるといっちゃんは小さく頷く。
ここまで目をキラキラさせたいっちゃんは見た事ない。猫に負けるってちょっと複雑。
「はっ、でも日野……僕いいのかな」
「ん?なにが?」
突然深刻な顔をし始めたいっちゃん。
「だ、だって……こんなの…」
「来たかったがやろ? じゃあたっぷり楽しまんと」
「そ、そうだけど……」
もう、なんでそんな顔するが‼︎
猫相手に挙動不審になり過ぎやで‼︎
……く、俺にしか見せんかったはずのいっちゃんの貴重なデレをよくも猫め。
なんて思うけんど、相手は猫や。
いっちゃんの一番は俺やもん〜。
「リリィに悪い事してないかな?」
「え?」
そう。いっちゃんの中で俺が一番ならそれでいい。
「だって……う、浮気にならないかな……」
猫<俺 これであれば全然オッケー。
「うーん……大丈夫やと思うで」
「そ、そっか……そうだよね……今日一日くらい」
いっちゃんそれ浮気男の定番セリフ。
てかちょい待ち、猫<俺やなくて猫>俺?
嘘やん……俺は?
「あっ…」
一匹の真っ白い猫がいっちゃんの足元に擦り寄る。
プルプルと震えたいっちゃんは静かにしゃがみ込んでその猫の喉をゆっくりと撫で始めた。
「君はリリィにそっくりだね…綺麗な目…毛並みも良くて赤い首輪がよく似合ってるよ」
キラキラしたオーラで寄って来る猫を口説くいっちゃん。
「君はロシアンブルーかな? あっ、こらそんなにくっついたらくすぐったいよ…」
次々といっちゃんの周りに集まる猫。それに比べて俺の周りには猫一匹集まらん。
「ふふ…待って順番ね」
慣れた手つきで一匹一匹落としにかかる。
俺の恋人はとんだ猫たらしやった。
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