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さようなら。(緑黄)
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『あっという間だったね!』
泣きながら、でも笑顔でそう言ったあなたは、今日卒業を迎えた。
『またすぐ遊びに来てくださいね!』
僕は泣きながら声を張り上げて答える。
『…うん!』
証書の入った筒と、後輩や同級生から貰ったプレゼントを抱えながら笑うあなたは
とても美しかった。
『…ぱっくん、これ、受け取ってくれる?』
そう言いながら、ネクタイを外し僕の胸にぎゅっと押し付けてくる。
『もちろんです、タツキ先輩!』
僕はきっとものすごく笑顔なんだろう。
僕だけがこれを貰えたことが、心から嬉しかった。
『じゃあ…またね?』
寂しそうに微笑むあなたの手を掴む。
嫌だ、卒業なんてしないで。
心の中で叫ぶ。
『…』
無言のまま俯く僕の顔を
心配そうに覗き込むあなたの事が、
本当は、好きで、好きで、仕方無いんです。
でも…
『卒業、おめでとうございます。』
僕はこの気持ちにフタをして、
あなたが新しい世界でしっかりと頑張れるように、背中を押す。
『…ありがとう!』
澄んだ青空。久々の快晴。
空があなたの卒業を祝ってくれているようで、少し笑顔になる。
好きです。結局言えなかったけれど、
僕はずっとあなたを愛しています。
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