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ハッピーバレンタイン
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『ハァ…ハァ…』
奏くんがいるとこといえばどこかな…
大体は想像がつく。
まずは風紀委員が使っている部屋に寄ってみた。
でもノックをしても反応はない。
『誰もいないんだ…』
後はもう教室くらいかと思い、2年A組の教室へ向かった。
『………す……………い』
中から人の話し声が聞こえてきた。
奏くん…?
ドアは空いてたけど邪魔しちゃいけないと思ってドアの傍でこっそり聞き耳を立てる。
見てみると奏くんと髪の毛の長い女の子だった。ふわっとしてて可愛らしい子だった。
女の子が口を開いた
『私、ずっと前から泉くんのこと、好きです』
こ、告白だ…!
人の告白現場を見て、ドキドキする半面、もし奏くんがOKしてしまったら、と思うと不安で仕方なかった。
奏くんは少し考えたような顔をした後、
『…すみません。あなたのお気持ちには応えられません』
そう言った。
物凄くホッとした。
よかった。奏くんが断ったことが物凄く嬉しかった。
『ど、どうしてですかっ?』
今にも泣きそうな女の子が奏くんに聞く。
僕は、恋愛に興味がないからだと勝手に思い込んでいた。
でも、奏くんの言葉は違った。
『…好きな人が、いるんです』
『へっ……』
しまった…!!
僕は驚きと悲しみのあまり、思わず声をあげてしまった。
奏くんが僕に気付いた。
『…タツキ先輩?!』
それと同時に、涙が出てきそうで、
今すぐこの場から逃げ出したくて、
気が付くと、僕は手に持っていたチョコを手放して走っていた。
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