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ハッピーバレンタイン
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『ハァ…ハァ…』
もう、やだ…。
さっきから涙が溢れて止まらない。
奏くん、好きな人いるって、
好きな人がいるから付き合えないって、
ちゃんと思いを伝えようと思ってたのに、
伝える前にフラれちゃうなんて
最悪だ…。
頑張って、沢山、気持ちを込めて作ったあのチョコも落としちゃって。
『意味、なかったなぁ…』
ポツリと呟く。
そういえば、ここはどこなんだろう。
走ってたから分からなかったけど、
どうやらここは敷地内の森?のような場所らしい。
周りに木がたくさん生えている。
少し開けたところに、1つベンチがあった。
僕はそこに腰をおろす。
奏くんの好きな人、誰なんだろう。
きっと、可愛いんだろうなぁ…。
男の癖に、男を好きになって、
相手に好きな人がいないからチャンスかも、って、勝手に決めつけて。
思えば、僕に振り向いてもらえる要素なんてないのに。
奏くんからしてみたら、僕なんかに好かれるなんて、気持ち悪いに決まってる。
『…帰ろう』
モヤモヤと、黒い霧が心にかかるような、そんな感覚だった。
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