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守りたい
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通りかかった先生が来てくれたおかげで、
僕達は助かった。
保健室で手当てをされる。
『…いたっ!』
「ほら、ちゃんとこっち向いて、消毒しなきゃ」
ソソ子先生に頬をがしっと掴まれる。
痛い…力強い…
突き飛ばされたとき、少しかすり傷ができてしまっていたみたい。
頬に可愛らしい絆創膏を貼られた。
僕はあまり殴られなかったから、そんなに酷い傷はない。
蹴られたところは湿布を貼られ、手当ては無事終わった。
あきらっちょは相当お腹が痛むみたいで、保健室のベットで横になっている。
…守れなかった。
こんなに傷ができちゃって、痛みに耐えるあきらっちょの顔に胸が痛む。
『あきらっちょ、ごめんね…』
僕はそっとあきらっちょの手を握る。
「…私、これから会議があるから神生くん診ててもらえる?」
ソソ子先生にそう言われて、僕は返事をする。
『…なあ、なんでたつきっくが謝るんだよ』
天井を見つめながら、あきらっちょがぽそっと呟く。
手は僕の手を握り締めてくれている。
『なんでって…僕、あきらっちょのこと、守れなかった。守りたかったのに…』
無意識にあきらっちょの手を握る手に力が入る。
『…たつきっくは、小さいし、弱っちいんだから、黙って俺に守られてればいいんだよ。今回だって無理にあんなデカい奴らに向かっていって…』
辛そうに歪むあきらっちょの顔。
心配、させてたんだ…。
でもねあきらっちょ、それは僕も同じ。
物凄く心配したよ、守りたいって思ったよ。
大切な人を守りたいって思うのは、
僕だって、男の子だからだよ。
弱っちいって、女みたいって言われちゃうけど
どうにかして守りたいんだよ。
自分がどうなったって構わないって、思うんだよ。
あきらっちょのこと、愛してるから。
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