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変質者 対 俺
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みなさん聞いてくれ。
あの迷惑3人組が
異世界へと帰ってから
もう1ヶ月が経つ。
誰も何も覚えてない。
こうゆう、ファンタジーな
物語にはありがちなんだけど。
俺は特に何も変わってない。
いつものように
1人部活に勤しんでいたり、
晩飯の献立にウンウン悩まされてたり
するけど、それは
あいつらが来る前もそうだった。
英語の小テストで
息の仕方を忘れたり
体育の走り込みで
息ができなくなったり
あいつらがいてもいなくても
それは同じことで。
俺は寂しさなんて
みじんも感じてなかったわけなんだが。
いや、ほんと全然さみしくない
めっちゃ元気
マジで元気すぎて犬飼いたい
別にユーシャが犬に変身してたなぁとか
あの犬の姿のあいつは何しても許せるなぁとか
思い出にふけってたわけじゃない!
断じて!!!
「…もう帰ろう」
自分で自分に言い訳して
部活に身が入らない。
あの新人もとうとう研修札がとれて
案内が上手くなっていたし。
俺の楽しみはもうない。
帰ってお母さんに電話しよう。
すいませんお母さん、
寂しいので弟か妹をくださいと電話しよう。
「その願い、聞き入れよう」
いつもの、暗くなりかけた公園で
真っ黒なフードを被った男が
俺に向かってそう言ったのだ…。
「その願いを叶える代わりに、こちらの願いも、叶えてもらおう」
聞き覚えが、ある声だった…。
「返事だ…返事をするのだ…マジ返事しろしー」
聞き覚えがある、かつ
黒フードで悪役感がものすごい
「え?待って?なにこれ?えっ?俺見えてない感じー?夜だから?黒着てきちゃったから周りと同化的な??待って、ねぇちょ、俺見えないー?」
みてこれ
反応しないだけでこの慌てよう。
「やばくなーい?俺いま見えてないわけっしょー?これ無敵じゃね?今なら完全犯罪できるんじゃない?」
透明人間になったつもりなのか?
お前…夜以外行動できないじゃないか
「手始めにナツメにいたずらするしー。ズボン脱がしたらこいつ捕まるよねウケる」
お前バカだろ絶対バカだろ
「そーっい!」
見えてないと信じ込んだ
アホの勇者が
俺の制服のズボンのベルトに
手をかけてきた瞬間
「この…バカちんがーーー!!!」
渾身の回し蹴りを
お見舞いしてやった。
「キャイイイイイン!!!!」
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