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2ー09
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「よーし、無事解決っと!初めてで連携が出来るオレ達って、実は良いコンビなんじゃない?」
そう楽しそうに言うザクロを横目で見据え、俺は小さく溜め息を吐く。
「さぁな。そもそもお前が今朝、余計な事しなければもっとスムーズに終わらせられただろうけど」
「え!あー…それは、あははは…」
苦笑いをしながら背中を向けるザクロ。
それが少し面白くて、微かに笑ってしまった。
「けど…………ありがとな。助かった」
何だかんだ小言を言っても、無事に事態を終息出来たのはコイツのおかげだ。
それに素直に礼を告げれば、ザクロは勢い良く振り返り、目を丸くして固まった。
それに再び顔を歪める。
「何だその顔。俺は感謝も出来ないヤツだと思ってたのか?」
「ち、違うよ!そんなんじゃない!お礼なんて…その、初めて言われたから…どう反応すれば良いのか、分からなくて」
視線を泳がせ、更に顔まで背けられる。
ここまで動揺するザクロは初めてみた。
というかお礼言われた事ないって、コイツ今までどんな人生送ってきたんだ。
気になる事は多々あれど、ぎこちないコイツの反応を見てると…何故か胸の奥が、ほんの少しだけ温まる。
そして自然とザクロの視線に合わせようと目の前に移動していた俺は、気付けば今出来る最大限の笑顔を向けてた。
「こういう時は、素直に喜べよ」
そう言ってやれば、ザクロは驚きに満ちた表情で再び固まり、俺を見つめたまま次第に頬を緩め…はにかんだように微笑み返してくる。
お前、そんな風に笑えるのか…と少しだけ見とれると、突然抱き締められた。
おいおい、いきなりどうしたと内心余裕を決め込むと、ザクロの吐息混じりの言葉が耳に吹き込まれる。
「オレ今…完全に骨抜きにされた気がする」
「骨抜き?」
「章人……セックスしよう!」
「は?!ふざけるな!!」
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