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春谷凛。凛side
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「お前が覚えていなくとも、だ。少なくとも今僕の部屋でこうして二人で寝ていることをおかしいと思わないのか」
「……っ…」
水野の顔を見ると何故か言うことを聞きたい、従いたいと思う自分がいた。
先ほど思い出した記憶が頭に浮かぶ。
おかしいけど、俺はそれを信じたら…認めたら…
「ああっ…だって俺には記憶がないんだ…!」
ありえない、ありえないんだ…そんな事…
昔からこの顔のせいでじじいや学校の奴らに襲われそうになったことがあった。
痛くて、怖くて…
そいつらは結局男の俺に何がしたかったのかは分からなかったが、暴力をしてきたやつらの同性を見る目とは思えない気持ち悪りぃ顔を、思い出したくもなかった。
「……そんなの…」
これまでと同じ過ちは繰り返したくない、そう思って…柔道習って、すげぇ悪く見えるようにチャラくして、カラコンだって入れた…
昔の俺とは違う、そう思ってた…
でも、そんなの思い上がりで、無力だったんだ俺は…
女々しくて弱い。
「クソッ……俺は…」
こんな俺…もう嫌だよ…誰か……助けて…
きっとひどい顔をしているだろう俺は、自然に口が開いていた。
「……俺は、男なんだ…女じゃねえ…
…この顔も目も…大嫌いだ…」
ポツリ、そう呟いて。
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