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春谷凛。
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目の前で酷く顔を歪ませて苦しそうに凛は言った。
先程から話を聞いていてどうやら凛には僕が校舎裏で会った所の記憶は無いらしい。
「…凛」
顔は青ざめ体は震えていて、心底自分を嫌悪しているように見えた。
…そんな凛を見た僕は思っていることを素直に告げる。
「お前今まで喧嘩とかしたことないだろう」
「…?……っ…うん……」
少し驚いたように凛は頷く。こいつは面食らうと素が出るらしい、その言葉使いは可愛らしかった。
しかし僕はそんな凛に容赦無くものを言う。
「どうりで反応が悪い、言ってることが古い、あのままやっていたら確実に負けていたぞ……」
「…それは………」
「でも、初めて、立ち向かったんだろ?」
僕は震えている凛の手を強く握る。
指先から伝わる冷たさは凛の心のようだった。
「強くなろうとしたんだろ…自分のコンプレックスを直そうと努力できるお前を、女みたいだなんて誰も言えない、お前は強いさ」
最後に一息吸って言葉を吐きだす。
「僕は…凛の目を綺麗だと思う」
「っ!!…」
本当のことを言うのは苦手なんだ、これはやけに恥ずかしい。
よくやった、僕。
そう思い息をつく。
それにしても凛の反応がおかしい。
目を見開いて僕を直視してくる。
そして凛は口を開く
「…………あなたは…」
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