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春谷凛。
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「………っ!…何を…」
何を言っているんだ。
「ひっ…く……っ…!…」
凛はぼろぼろと泣き始め、紅く染まった頬の上を涙が伝っていった。
「…おい、おい」
……流石にそんな顔をされると嘘だろと言いづらい。
きっと僕は間の抜けた顔をしているんだろう、そう思いながら凛の手を握っていた片方を自らの口元に持っていく。
動揺した顔を隠すように手をあて考える。
「………」
…何故、空太に続いて、凛も…?……好きになられるようなことは何も僕は言っていない…
とりあえず問いかける。
「…何を言っている、お前が僕を好き…だって…?」
「…うんっ……!」
必死に首を縦に振る凛。
「…………」
…本当、に?
本当に、凛も、空太も僕を…好きに…?
今まで頑なだった考えが揺らぐ。
…僕は、救われたいのか…
そう思った瞬間脳裏に鮮明な記憶が蘇る。
「…っ!!」
……あ…
思い、出したくない…!
((「…琴……美琴!……大好き…!!」))
((「…ずーっと、一緒だよ?」))
((「わあ…!これ僕にくれるの?」))
やめてくれ…
((「…お前の…とは……心底…だったよ…」))
…ああ、そうだった。
……僕は、
信じることを捨ててきたんだ。
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