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元カノ
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茅野は本庄が組んでいるバンドのメンバーで、女伊達らにドラムを担当、作曲までしている。
中学からの付き合いで、当時メンバーを探していた本庄に吹奏楽部だった茅野は声をかけられたらしい。
それ以来表立ってはいないが、最近まで恋人として本庄を支える存在であった。
最近までは。
「べつに別れたことはいいの。なんかショックじゃないし」
小動物なのは外見だけらしい茅野は、本当になんでもないことのようにけろりと言ってのける。
「未練ないんだ? 本庄くんあんなにかっこいいのに」
「外見は王子様よね。でも2年も一緒にいたけど、彼ほど不可思議な人に会ったことがないわ」
「お待たせしました」
会話を割って入って来たのは蒸しキャベツだ。
「あ、テンチョちわーす」
「ちわ。いただきます」
店長に挨拶をしてキャベツに頭を下げる。
さあ、食うぞ。
「やぁ田中くん、間宮。こんばんはお嬢さん。ごゆっくりどうぞ」
挨拶をして下がった店長を見送った茅野は不思議そうな顔をして言った。
「通常食ってその山盛りキャベツのこと?」
「まさか、これだけじゃないよ。食物繊維摂った後はたんぱく質が取れる料理が出てくるんだ。店長がー、間宮をスカウト中のボクシングジムのトレーナーなんだよ。間宮の食事管理をしてくれてる」
「ふぅん。間宮くんプロになるの? 優勝したって聞いたけど、間宮くん随分細いけど格闘技ってそんなもの?」
「ボクシングは特別かも。階級にもよるけど。間宮の身長なら70kgあってもおかしくはないけど、62kg前後が間宮にとって通常体重なんだ」
続けて田中が試合前は56kg以下になるけどね、と言うと、6kgも落とすの??と、驚いていた。
蒸しキャベツを食べ終わり、田中と茅野が話している間に運ばれてきた次の料理に手をつける。
帆立と烏賊のクリーム煮、牛赤身のステーキ、麦飯。良く噛んで食べる。
その間も田中と茅野は関係のない話をしていた。
「で、話」
「あ、ごめんなさい」
いつまでも本題に戻りそうにないので話を戻すよう促すと、茅野はどこまで話したっけ、と首を傾げた。
「まぁ、つまりね。あたしとしては応援したいのよ」
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