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マネージャー
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身長は155cmくらい。体重はたぶん俺よりあるだろう。髪は結べるのかどうか、中途半端な丈で切っているのか伸びたのか。眼鏡をかけていて顔は……痩せて眼鏡を外しても変身はしないだろう。まぁ胸はでかい。肉かどうかはわからないが。
この女は三好という。らしい。
俺と同学年で1年の時から部のマネージャーをやっている。らしい。
ロープ中心で自主練習をするのは試合のためではなくダイエットの為。らしい。
もともとはダイエット目的で部に入った。らしい。
1年の時は80近い体重があった。らしい。
俺のことが大好き……らしい。
そしてどうやら本庄の想い人がこの三好………らしい。
全ては田中から聞いた情報だ。
「ちょっと、ちょっと。三好ちゃん困ってるよ? 至近距離でそんなに見つめないの」
三好から目が離せない。田中が俺を制止しようとするが関係なかった。
三好からは俺を惹きつけて止まない香りがする。
「うまそうだ」
「うまそうって、え? え? いきなり下ネタ? そりゃあ女子に対してダメでしょっ! てか、近いよー」
俺はたまらず三好の肩を掴んだ。
「三好今日なに食った?」
「はぁ?」
田中が訳がわからないといった声をあげる。三好が怯えながらも僅かに聞き取れる程の声量で答えた。
「や、焼肉定食大盛り、です」
「……テメェ」
くそ。やっぱり食ってやがった。俺は肉を我慢してるのに。
眉間に皺が寄るのを抑えられなかった。三好が震え上がるのがわかる。
「ひぃっ!」
「み、三好今日のカロリーは今日消費するよな? な? 間宮、だから許して離してやれよ」
田中は何の心配をしているんだ?
「うるせぇ。……おまえ、付き合ってる奴とかいるのか?」
そんなにおかしいことを聞いたわけではないのに、ぽかんと口を開けて三好が俺のことを見る。
もう一度、どうなんだと問うと焼肉定食の時より小さな声で、いませんと返ってきた。
「そうか」
よし。本庄に望みはあるな。
掴んだ肩を離して、寄ってしまったシワを伸ばしてやる。
本庄がこいつと付き合えば妙な視線はきっとなくなるだろう。
昨日ファミレスで茅野と別れた後、田中が言っていた。
本庄は三好のことが好きだが、三好は俺のことが好きだ。だから本庄は嫉妬のあまり俺を睨みつけるのだと。
シャワールームで会ったときにやっぱり違うと言っていたのは、俺が三好に相応しいかどうか確かめていたんじゃないか、というのが田中の見解だった。
「ま、間宮くんは、つ、つつき付き合って、るひとはっ、いまいますかッッ!」
なにを言っているか分かり辛いが、要するに付き合ってるやつがいるかと俺に尋ねているんだろう。三好のその顔は何故か血の気がなかった。
付き合ってるやつなんかいないし、どうでもいいが、とりあえず周りをうろちょろされんのはーーー。
「田中で間に合ってる」
今日は三好に付き合っている人がいるかどうか確認出来た。それを次は本庄に伝えなければならない。
とりあえず今日はもうトレーニングをしたら帰ろう。そう思ってストレッチに戻ろうとしたが、一つ言い忘れていたことを思い出して振り返る。
「あ、三好明日から昼飯肉禁止な。じゃねぇとおまえのこと食っちまうぞ。」
何故だか部室中の人間が俺のことを見ていた。
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