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進まず
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三好に恋人がいるかどうか確かめてから数日が経過したが、何ら進展せずにいる。
進展はしていないが変化はあった。
俺を見る目が増えた。正確には俺と田中を見る目だ。そのせいで田中がおかしくなった。一人で何事かぶつぶつ呟いている事があるのだ。気味が悪い。
三好は俺が食べるなと言った焼肉定食を、これでもかというほど毎日食べている。喧嘩を売っているようだが女を殴る趣味はない。あれからもう一度注意をしたが、肉食系が好きなんだ、と妙に鼻息荒く主張されて以来、三好には近づかないようにした。三好も俺が近づくのを歓迎していないようだった。問題は三好ではなく本庄の方にあるから別に構わない。
進展せず、というのも本庄が学校に来ていないからだった。
田中曰く、俺の役目は本庄に三好には付き合っているやつはいない、と伝える事なのだ。
それも肝心の本庄がいないので進展はしていないのだが。
しかし、もう今更だった。
個人戦で優勝して以来、俺が何かするたびに注目される。はじめの頃は自意識過剰かと疑ったが、俺は耳は悪くない。俺が通った後にこそこそと囁かれる名前は間宮だった。振り返れば明らかに逸らされる視線。
それが何日も続けば、どうしても慣れが生じる。
もはや本庄などとるに足らない。
そんな心境だった。
茅野に話したいことがあると言われたのは、いい加減田中の暗い顔にも飽きた頃だった。
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