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バンド名は
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いかにもライブハウスといった趣きの入り口は潜らなければ頭をぶつけそうで、そんな俺を田中が憎らしげに見ていたから頭を軽く叩いてやった。
入り口から一歩進んだ右に受付があった。チケットを見せるとワンドリンク用の券を渡され、目的のバンドは何処か聞かれた。
その時に始めて気づいたが、茅野の、本庄のバンド名を知らないことに気付いた。
田中が訳知り顔でななしだと言った。そのまま二三話して受付を通された。
DRAGOON、神鳴り、Lolipop Candy☆、no name ?はっちゃけNight Presented by no name?
チケットを確認したが、ななしなんてバンド名は書いてなかった。
考えられるなら、最後のバンド名だろう。ノーネーム=名無し。
田中が茅野とメアドを交換していたことを思い出す。茅野に何か聞いていたのだろう。
しかし、イベント名がはっちゃけNightとは。
なんというか、薄ら寒い。
薄暗いライブハウスはステージが低く設置されている上に柵もなく、出演者と観客が触れ合えるのではないかと思うくらい近く感じられる。
今は機材の調整をしているようでステージの上は少しバタついている。
「今神鳴りってとこが終わったところみたい。茅野サンとこはトリって言ってたからロリポップ?が終わったらだねー」
やはり本庄のバンドはノーネームみたいだ。
「てかさ、今日くらいは休んでもよかったんじゃなぁい? トレーニング。間に合ったからよかったけどさー」
ライブの前に茅野に会いたかったらしい田中は、ここに来るまでに早く、茅野、会いたい、行こうのワードをうるさく言っていた。
対して俺はライブ自体に興味はないので、出来るだけだらだらといつものトレーニングを熟して時間を潰していた。惜しくも間に合ってしまったようで早速後悔しつつある。
無駄に聞かなきゃいけない次のバンドはロリポップキャンディ☆なんてふざけた名前をつけるくらいだから、女がボーカルでなおかつポップスよりのロックだろう。全くもって興味のない稚拙な音楽を聴かせられるこちらの身にもなって欲しいものだ、と田中を睨んでやる。
「怖い顔してもだめだよー。ぼくだって怒ってんだから。よりによって茅野サンにおホモ達発言しちゃった君は、ぼくと茅野さんの恋のキューピッドになってくれないと許さないんだからねー」
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