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熱さに
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舌の熱さと獣のような瞳が縋るようなそれに変わっていて、本庄がどういうつもりでこんな事をしているのかなんて、どうでもよくなってしまった。
「うっ…はっ……ふ」
息を吸う度に濡れた音が響く。楽器の音のしないライブハウスは、こんなにも静かだなんて知らなくてもいい事だったと思う。
抵抗をしなくなってからの本庄は大胆だった。いつの間にか、俺を抑え付ける手の力は緩み、まだ微かに血の味のする舌を必死に動かして官能を煽ろうと躍起になっていた。
応えない俺に焦れてるのがわかる。
「まみや、は……んふっ」
「……ふは…、…あ」
上顎の凹凸を撫でられ、届く限りの場所まで舌を伸ばされる。口腔より奥の柔らかな場所まで届くと、ぞわりと何かが身体を這うような感覚に襲われ、舌を押し返す事でそれから逃れようとする。しかし、それを待っていたというように、本庄の口腔内に引き摺り込まれる。舌をちうと吸い上げられ、甘噛みされてしまうと、いつ身を引けば良いのかわからなくなった。
結局本庄はそのままたっぷりと俺をを味わい、打ち上げするよと呼びに来た茅野に先に帰ると告げて帰ってしまった。
……俺の腕を掴んだまま。
何故かにやにやした茅野と蒼白になっている田中に見送られて帰った先は、もちろん俺のアパートではなく本庄のマンションだった。道中、本庄はただ必死に俺を逃がさないようにと、執心しているようだった。一言も話さず手を繋ぐ男2人に周囲は奇異の眼を向けていた。どうしたものかと困ったが、下手な事をして先程みたいに逆上されても嫌だと思い、されるがままにまかせる。
玄関に入るなりにまたキスを仕掛けて来た本庄に“待て”をした。
「まぁ、とりあえず茶を飲みながらおまえの話を聞いてやる」
「……話なんて。家まで来たのに、やっぱり俺を拒むの…?」
「そうじゃねぇだろ。おまえが拒んでんじゃねぇか。まず、俺の話を受け入れてから言え」
ほら、と先にソファーへ座り隣にくるように促す。
しょげ返って渋々座る様は、主人に怒られた犬のようだった。
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